
栃木県西部日光市の南部、群馬県との県境付近に位置し、わたらせ渓谷鐵道の北端に位置する終着駅が間藤(まとう)駅です(反対側のわたらせ渓谷鐵道南端の終着駅は桐生駅)。桐生駅から44.1Km、約100分ほどで間藤駅に到着します。

現在、駅は無人化されているようで、静かにひっそりと佇むその姿は、まさに終着駅です。地図で見ても行き止り感が強く、終着駅レポートを何か形として残したいな、と思うきっかけとなった駅です。間藤駅前からは日光市営バスが出ていて、乗車すれば日光東照宮やJR日光駅や東武日光駅まで約35分ほどで行けるそうです。わたらせ渓谷鐵道ルートで日光に行けるとは知りませんでした。渡良瀬川上流の山間の駅なので少々肌寒いですが、非日常の旅行気分を味わうにはうってつけの終着駅と思われます。
鉄道紀行作家の第一人者として知られる宮脇俊三さんが、国鉄時代の全線を完全乗車したときの最後の駅がここ間藤駅だった。ということは後に知りました。何か終着を感じさせる駅なんでしょうかね。
わたらせ渓谷鐵道 間藤駅

ホームは1つだけなので、終着駅へ到着した列車はそのまま始発となり、次の終着駅へと向かう、まさしく「終着駅は始発駅。」のホームです。駅は静寂に包まれており、本当に列車が来るのかと疑いたくなります。木が生い茂り澄んだ空気の終着駅。とても落ち着きます。

ホームの横はちょっとした広場があるので、次の列車が到着するまでベンチに腰掛けて自然を満喫するのもいいですね。トイレもあるので安心です。でも冬場は寒いと思いますので、春から秋がよいかと思います。

それでも、冬のわたらせ渓谷を訪れた方は、間藤駅と書かれた駅舎に入って列車を待つのがよいです。最初この駅舎で切符を購入したりするのかと思っていましたが、中に入ってみたら待合室でした。まあでも無人駅だし車内精算もできるから券売機なども必要無いですね。

中に入ると、奥には宮脇俊三さん著書の紹介や自筆原稿などが展示されていました。さすが国鉄完全乗車を達成した終着駅。宮脇さんのファンの方たちもたくさん訪れている駅なんでしょうね。

この駅舎の壁に「カモシカの見られる駅」と書かれているの気になりますね。この辺でカモシカを目撃できるとしたら、やはりこの地は相当山の奥ということになりますね。

間藤駅は地図で見ると山の上にある行止まり。という印象でしたが、実はここ間藤駅前には日光市営バスが走っていて、乗車すれば日光東照宮やJR日光駅や東武日光駅まで約35分ほどで行けるそうです。わたらせ渓谷鐵道ルートで日光に行けるなんて知りませんでした。

わたらせ渓谷を楽しんで、最後日光に到着するとか、こんな素敵なルートはみんなに知ってもらわねば。
栄枯盛衰、時代を見つめ続けた終着駅

お隣の駅は足尾駅。足尾と言えば足尾銅山ですよね。わたらせ渓谷鐵道の前身は足尾線という名称だったので、その昔は足尾銅山から採掘された鉱石などの輸送や、沿線住民の足として多くの人たちに利用されていました。その後1973年(昭和48年)足尾銅山の閉山により利用者は減る一方でしたが、1989年(平成元年)に新たに「わたらせ渓谷鐵道」として生まれ変わり現在にいたるそうです。激動の時代を感じさせる路線ですね。


終着駅なので当然行き止り標識はありますね、しっかり撮影しておきましょう。ですが、この行き止り標識の奥にはまだ線路が続いている感じがしますよね。現在は廃線となっていますが、その先には線路がありました。ここ間藤駅から先は貨物専用線で、終点には足尾本山駅があり、銅の製錬所まで資材の運搬に使われていたそうです。(現在は跡地として残っているそうなんですよ。行けばよかった・・・)足尾銅山の採掘が停止するまでは、毎日多くの貨物列車が行き来していたんでしょうね。歴史を感じます。




静かに佇む終着駅に、鉄道が時を知らせてくれる
終着駅には、わ89形314号が到着しております。静かな山間の駅にディーゼル音が響いています。いいですねこの雰囲気。わ89形314号は少し停車した後、渡良瀬川と共に山を下り、桐生駅へと出発していきました。列車が走り去ると駅には私一人だけとなり、また静けさが間藤駅を包みこみます。あぁこれぞ終着駅。この感覚は市街地ではまず味わえませんね。でもここ関東なんですよね。こんな日本の原風景に出会える路線が関東にあるなんて、信じられません。わたらせ渓谷鐵道も間藤駅も、とてもいいところでした!わたらせ渓谷は秋の紅葉も素晴らしいそうなので、ぜひ秋や他の季節にも来たいです!!



いつかトロッコわっしー号に乗ってやるぞ!

駅前周辺

駅前は道が一本取っていますが、特に何かある訳でもなく静かな駅前でした。山を下る方面は少し行くと国道122号線が走る交差点へ出ます。あの東京の王子や赤羽辺りを走っている国道122号線は、こんなところまで続いていたんですね。(最終的には日光の神橋まで続いています。)

そしてこちらが山側へ行く道。行き止り標識の奥に続く線路はどこまで続いているんでしょうか。この道を行けばその先に何があるんでしょうかね。気になる方は特別編の探索レポート「わたらせ渓谷鐵道 間藤駅【特別編】」をご覧ください。

以上、わたらせ渓谷鐵道 間藤駅レポートでした。カモシカ見つけたら帰ります。
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