普段なに気なく乗車している鉄道路線の端と端。終着駅や始発駅がどんな駅か気になったことはありませんか。そんなささやかな関心事をレポートする当ブログ「終着駅は始発駅。」今回は上田電鉄別所線「別所温泉駅」の紹介です。
別所温泉駅について


信州・長野県の東部、東信エリア上田市の西部に上田電鉄別所線の終着駅「別所温泉駅」はあります。1921年(大正10年)に別所駅として開業し、その後現在の別所温泉駅へと改称しました。反対側の終着駅は同路線の起点駅である上田駅。上田駅から別所温泉駅への所要時間は約30分。1400年の歴史を持ち信州最古の温泉といわれる別所温泉の玄関口駅とはどんな駅なのでしょうか。

駅舎に入ると広々とした空間の待合室が広がります。100年以上経過しているはずなのですがとても綺麗で驚いてしまいます。古いのではなくレトロな駅舎と呼ぶに相応しいです。

木造の駅舎は趣があります。木製の椅子などは恐らく開業当時から使われていると思われます。

窓口では可愛らしい和装の女の子が対応してくれました。でも駅職員さんではないということは何となく分かります。

看板の一つ一つが細かく丁寧に造られているから、良い駅舎の雰囲気が生まれるのでしょう。

切符は自動券売機で購入することが出来ます。
ようこそ別所温泉駅へ

どうやら先程窓口で対応いただいた可愛らしい和装の女の子は、別所線沿いにある女子短期大学の学生さんのようです。お声を掛ければ最高の笑顔見せていただけるそうで、思わず写真を撮らせていただきました。学生さんたちは、とても一生懸命働いておりました。鉄道むすめと3人でお疲れさまです。



窓口では鉄道むすめのグッズや別所線のオリジナルグッズを販売しておりました。普段あまり目にしない信州の鉄道むすめコラボは地域性があっていいですね。

待合室には他にも気になるものがあります。自動販売機は六文銭が描かれて上田仕様になっていました。

さり気なく設置されている駅看板ですが、どちらも江戸時代から続く味噌蔵と酒蔵のようです。このような歴史ある看板を見ると非日常を感じずにはいられません。

ホーム側からの入り口には待合室の看板もありました。

別所温泉駅では自動発券機で切符購入できますが、QRコード決済でもご乗車いただけます。上田市内のバスなどもこのQRコード決済で乗車できるそうなのでとても便利です。
別所温泉駅ホーム

別所温泉駅は片側単式1線のホームのみで、特に番線表示はありません。でも対面の花壇があるあたりは以前はホームとして使われていたと思われ、過去には1番線と2番線があったのでしょう。

古そうな駅名標がありましたが、これは過去に使用されていたものでしょうか。手書きで書かれた駅名標と花壇が良い雰囲気です。片方の次駅しか書かれていない駅名標。終着駅としての証を1つ見つけました。

もちろん行き止り標識もありますので、ここは正真正銘別所線の終着駅です。

ホームには別所温泉行と表示された上田電鉄1000系列車が到着。元は東急電鉄1000系として都心で活躍していた列車です。長野県の鉄道には過去に都心で活躍していた列車が、いまも現役で在籍している姿をよく目にします。


別所温泉行。普段目にしない行先表示は非日常感があって良いですね。

上田電鉄のロゴマーク。なんとなくサッカーのクラブチームロゴみたいでカッコいいです。

待合室がレトロな雰囲気の木造駅舎ですが、ホームでもその雰囲気を味わうことができます。やはりこの多くの看板群がいいです。

別所温泉駅の中には、観光案内所も併設されております。駅のホームからすぐに観光案内所を訪ねられることは旅行者にとって便利ですね。




他にも趣のある看板がいくつも設置されています。

こちらはまた風情ある看板です。

先程から停車中の列車が行先表示を別所温泉行から上田行に変更して始発列車となりました。まさに終着駅は始発駅。ですね。

別所温泉発上田行の列車、そろそろ出発時刻が迫ってきました。

列車は上田駅に向け出発し、別所温泉駅はまた静かな駅に戻りました。
丸窓電車モハ5250系

別所温泉駅の敷地内にはもう一つお楽しみがございます。この古めかしくもオシャレな列車は別所線のシンボルとなっている丸窓電車モハ5250系です。

戸袋窓が楕円形だったことから「丸窓電車」の愛称で親しまれ、引退する1986年(昭和61年)まで60年近く上田盆地を走り続けた列車だそうです。

いまは別所温泉駅構内に静態保存されていて観光客を楽しませてくれます。

ちなみに別所温泉駅や別所線の鉄道施設は「日本遺産」に認定されているようです。日本遺産とは国の文化・伝統を語るストーリーに対して文化庁が認定しているそうですが、きっと上田の街の発展に大きく貢献していたからだと思います。

さらに2017年には上田市の都市景観賞を授賞しているようです。地域に根付いている鉄道っていいですね。

さすが歴史ある別所温泉の玄関口駅。木造の駅舎は柱の一つ一つまでレトロ感満載で素晴らしく、きちんと設置されている看板も良い雰囲気を醸し出しており、非日常と旅気分を味わうことができました。丸窓電車とともに、いつまでも別所温泉駅、別所線を残して欲しいと思いました。
駅前周辺

駅の出口は一ヶ所だけなので迷わず出口へ参りましょう。

足元には何やらイラストが。真田幸村を中心に、猿飛佐助や霧隠才蔵などの真田十勇士たちでしょうか。さすが上田市です。

駅を出ると別所温泉の看板があります。別所温泉は信州の鎌倉と呼ばれていたようですね。その昔、寺院が消失して源頼朝などが再建したことからそう呼ばれているそうですが、さすが1400年の歴史を持つ温泉ですね。歴史が深い。この先の道を真直ぐ行くと、すぐに旅館が立ち並ぶ温泉街です。

温泉街の中には、昔から厄除け観音として信仰を集める北向観音堂がございます。

長野市の善光寺と向かい合うように本堂が北を向いていることから北向観音と呼ばれるようになったそうです。北向の本堂は珍しく、南向きの善光寺と相対しており、合わせてお参りするとさらにご利益があるといわれています。

北向観音堂の参道にはちょっとした仲見世があり、お土産屋さんや食事処がありました。

温泉街にある観音堂を訪れて、ゆっくりするのも良いものですね。
駅前食べ歩き

今回の食べ歩きは駅前ではないのですが、北向観音堂の参道にある「ハレ terrace 仲見世店」さんのイタリアンジェラートをレポートいたします。

店内に入ると色彩豊かなイタリアンジェラートが並んでいます。どれも美味しそうです。ハレ terraceさんの特徴としてはジェラートアイスだけではなく、いくつかのジェラートにそれぞれの具をのせてくれるところではないでしょうか。

せっかく長野県に来たんですから、やはりここは「小布施の栗」をオーダーし、保険として「いちご姫夢物語」も一緒にオーダーしてみましたが、いやいや保険なんて要らなかったです。さすが全国的に有名な小布施町の栗のジェラートで、味が濃くて美味しいです。そしていちご姫はというと・・・、美味しいに決まっていますね。いちごジェラートは安定感抜群です。訪れた日が暑かったのもあってホッと一息つけました。
今回2つ食べてみましたが、1つでも結構な量がありますので、2つ食べるのは大変です。欲張らずにどれか1つを選ぶことをおススメします。

以上、上田電鉄別所線 別所温泉駅のレポートでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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