松本電鉄(アルピコ交通)「新島々駅」:上高地線「列車の終着駅はバス路線の出発駅。たどり着いた山間の駅は交通の要衝だった。」

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 普段なに気なく乗車している鉄道路線の端と端。終着駅や始発駅がどんな駅か気になったことはありませんか。そんなささやかな関心事をレポートする当ブログ「終着駅は始発駅。」今回は松本電鉄上高地線「新島々駅」の紹介です。

 長野県の中西部にある松本市に松本電鉄(アルピコ交通)上高地線の終着駅「新島々駅」はあります。反対側の起点駅は国宝松本城が建つ松本駅。松本駅からの所要時間は約30分です。上高地線という名称ですから、上高地へ向かう観光客や北アルプス登山客など多くの人に利用されています。

 遥か昔90年代フジテレビの「白線流し」というドラマで、酒井美紀ちゃんと長瀬智也くんが互いの列車が駅ですれ違い、お互い駆け寄った踏切で2人が出会う。という胸キュンのシーンは、松本電鉄上高地線で撮影されました。

 松本電鉄とはその昔の名称であって、経営破綻によって2011年(平成23年)に合併を行った結果、現在ではアルピコグループのアルピコ交通が上高地線の運営を行なっております。正式名称は「アルピコ交通上高地線」ですが、列車利用者向けや地図上などでは今でも「松本電鉄上高地線」という名称が使われております。約30年振りに訪れましたが、わたしの記憶の中で上高地線は今でも「松本電鉄」のままなので、併用してくれていることがとても嬉しいです。



 駅舎は三角屋根が特徴のロッジ風です。こちら側から見ると駅舎というよりも完全にバスターミナルですね。

 上高地線の時刻表も当然ございます。松本駅の到着時刻が書かれていてとても親切です。

 こちらの時刻表はさらに親切で、松本駅駅到着後のJR線連絡時刻まで事細かに書かれています。

 切符は自動発券機で購入が可能。自動発券機は屋外に設置してありますが、駅の営業時間が終了すると扉を閉めて鍵をかけるようになっています。

 窓口もございますが、こちらは切符購入というよりもグッズ販売の窓口のようです。上高地線の鉄道むすめ「渕東なぎさ」のグッズです。渕東は「えんどう」と読む、難しい駅名の一つです。ちなみに渕東駅は新島々駅のお隣の駅で渚駅も実際にございます。

 改札口を抜けて上高地線新島々駅のホームへ参りましょう。



 ホームに着くと、この日はアルピコ交通3000形がホームにずっと留置されていました。せっかくなので駅の外からも撮影いたしました。

 島式ホームですが番線表示は特になく、1番線、2番線の概念はなさそうです。

 新島々駅の駅名標がありましたが、なんともキャラクター推しな駅名標デザインですね。

 片方の次駅しか書かれていませんので、終着駅の証です。

 そして3000形の反対側には、アルピコ交通20100形が停車中であります。終着駅のホームが列車で埋まっているのはいい景色です。ちなみにこの20100形列車は、元は東武鉄道20000系列車として、東武伊勢崎線や東京メトロ日比谷線内を運行していたのを改造した列車。こんな綺麗に生まれ変わって、まだまだ現役で頑張れますね。

 松本、新島々間を運行する列車。普段見慣れない行先表示に非日常を感じてしまいます。

 そんなアルピコ交通20100形の出発シーンを撮影いたしましたので、列車や駅の雰囲気をお楽しみください。

 列車が去った後のホーム。さすが山間の駅舎だけあって木々が青々としていました。

 さて、ここ新島々駅は上高地線の終着駅なのですが、終着駅の証である行き止り標識はございませんでした。行き止り標識どころか、その先も線路が続いているようです。

 そもそも新島々駅って「新」が付いていますが、では元々どこかに「島々駅」があったのか? の問いに対して答えがありました。なんと島々駅は存在していました。過去に土砂災害によって新島々-島々区間は廃止となってしまったそうですが、島々駅は確かに新島々駅の先に存在していたそうです。

 駅舎そのものは既に取り壊されて残っていませんが、線路だけは残っていますので留置線として使用されているようです。

 改札へと抜ける通路の壁には、なんともよく描かれた駅名標がありました。「ようこそ新島々鉄道神社へ」。新島々鉄道神社はどこにあるのでしょうか。

 と思ったらすぐ横にありました。最初は単なる観光向けの神社かと思いましたが、奥社が上高地に祀られていおり、穂高神社よりご分霊を受けているという正式な神社でした。

 その横にはアルピコ交通以外にも、信州の鉄道路線の鉄道むすめたちが上高地線を応援していました。上田電鉄の八木沢まいは別所温泉駅で見た記憶があります。信州の鉄道むすめたち、結束が強いです。

 さてここからは鉄道の新島々駅ではなく、バスターミナルの新島々駅です。壁のモニターには、バス出発の案内を映しています。

 足元には各方面ごとに色分けされた、のりば案内が表示されています。分かりやすくて良いですね。

 改札を抜けてバスターミナルへ行ってみましょう。



 新島々駅は通勤、通学の生活路線として利用される他に、上高地や乗鞍方面への出発点として観光客や登山客に利用されています。そのため新島々駅の改札を抜けると、駅前には広いバスターミナルが広がります。

 駅舎にもバスターミナルの大きな文字が目立ちます。主に上高地へ向かう乗客が多いので、上高地行の本数がやや多めですが、白骨温泉、乗鞍方面、さらには高山方面までアクセスするなど、重要な交通の要衝です。

 なので駅周辺には、アルピコ交通バスが数多く停車しているので、バス好きの方には堪らないかも知れません。

 なんと自動販売機もアルピコ交通バス仕様。この辺りはアルピコバスで埋め尽くされています。

 バスの乗車券は、先ほど鉄道の切符を購入した自動発券機にて購入できます。

 上高地へ行かれる方は、こちらの注意書きを読んでおくといいかも知れません。

 あとはバスの出発を待つだけ。非常に簡単です。

 鉄道、バス、交通の要衝だけあって待合室も完備されておりますのでご安心を。

 待合室の中はとても綺麗で快適です。冬場でも運行されていますから、この待合室は必須なんだと思います。

 棚には地元松本のサッカークラブチーム、松本山雅のグッズと選手たちのサインが飾られていました。さり気なく山雅をPRしていますね。

 のんびりとした上高地線も終着駅で下車すると、バス路線の出発駅へと切り替わる交通の要衝であった新島々駅。でも山間の雰囲気がとても気持ち良い、非日常的なひと時でした。



 駅前周辺紹介とは言ったものの、駅前にはバスターミナルが広がり、道を挟んだ向こう側にはバスの駐車場が広がるため、これといったお店はありません。

 駅前から見える景色はこんな感じです。(あいにくのお天気。)

 駅の目の前を走るは国道158号線「野麦街道」。岐阜県高山と長野県松本を結ぶ街道です。現代では車で通行できますが、その昔は旧野麦街道を人が歩いて野麦峠を越え、飛騨信州間で物資を運んでいた街道です。歴史ある道路でしたね。

 この先を進んで行けば松本市街。(確か信濃毎日本社T字路まで行くと、野麦街道の碑があったような記憶があります)ちょっと行くとコンビニエンスストアが1件ありました。

 こちらは上高地、高山方面。今も昔も往来のあった地域を結び続けているとは、ロマンがありますね。

 以上、松本電鉄(アルピコ交通)上高地線 新島々駅のレポートでした。
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

反対側の終着駅(始発駅)

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