東武鉄道「坂戸駅」:東武越生線、東武東上線「東上線と越生線を繋ぐ東武東上線連合の乗り換え駅は、都心直結の横浜方面行、山間へ向かえば観光地というハイブリッドな駅だった。」

スポンサーリンク

 普段なに気なく乗車している鉄道路線の端と端。終着駅や始発駅がどんな駅か気になったことはありませんか。そんなささやかな関心事をレポートする当ブログ「終着駅は始発駅。」今回は東武鉄道「坂戸駅」の紹介です。

 埼玉県の中部に位置する坂戸市の中南部に東武越生線の起点駅、坂戸駅はあります。反対側の終着駅は入間郡越生町にある越生駅で、その間10.9キロを結んでいる路線です。また坂戸駅は東武鉄道主要幹線の一つである東武東上線との乗り換え駅であり、普通列車から急行列車まで全ての列車が停車する重要な駅となっております。池袋駅から急行に乗車すればおよそ45分で到着するなど、通勤通学での利便性に優れ、それ故に坂戸周辺が学園商業都市として発展し、多くの学生たちで賑わっています。

▼池袋駅から坂戸駅までの時刻表はこちらで確認ください。

 坂戸駅の開業は1916年(大正5年)で、当初はまだ東武東上線の坂戸駅のみが営業していたそうです。東武東上線の開業から遅れること16年、貨物輸送を行う東武越生線が敷かれ、その後1934年(昭和9年)に旅客輸送が開始されたことで、ついに東武越生線の坂戸駅が誕生し坂戸駅はめでたく東武二路線の乗り換え駅となりました。ちなみに1976年(昭和56年)の市制施行で坂戸市になるまで、坂戸駅は開業からずっと「坂戸町駅」という駅名だったそうです。人口増加が予想される時代には、村とか町は駅名に付けるものではありませんね。

 そんな東武東上線の印象が強い坂戸駅ですが、東武越生線の起点駅でありますので「終着駅は始発駅。」の対象駅です。お隣ホームの東武東上線には毎日多くの通勤通学客が乗車していますが、恐らく坂戸駅で停車した際に、お隣の東武越生線の坂戸駅が気になっている方は多いのではないでしょうか。そんな気になっている方の代わりに東武越生線の坂戸駅をレポートして参ります。



 改札口は1ヶ所のみ。主導権争いしている訳ではありませんが「東武東上線のりば」と東武東上線のみが目立つように書かれています。主要幹線ですから当然なんですかね。でも同じ東武線同士、東武越生線の改札口でもありますので東武越生線に乗車される方も安心してお通りください。勝手なわたしの東武線イメージですが、複数路線が繋がっている東武伊勢崎線&日光線などの東武本線巨大連合に対し、東武東上線の唯一の連合線といえば東武越生線のみ。その中心を担っている坂戸駅には何か特別なものを感じます。

坂戸駅 1・2番線ホーム

 駅のプラットホームは、島式ホーム2面4線。1面ずつをそれぞれ東武東上線と東武越生線で分けて使用しています。が、主要幹線である東武東上線を差し置いて1、2番線ホームを使用しているのは東武越生線です。終点の越生駅までは片道18分。日中は15分間隔で運行されています。意外といっては失礼ですが割と多めだなと感じるのは、訪問した日が休日なので学生さんたちでいっぱいの平日の越生線を見ていないからでしょうね。

 3、4番線ホームは東武東上線が使用しています。上り4番線の行き先がなにやら複雑そうで、時代の流れに追いついていけるかやや不安ですが詳しくは後述いたします。

 まず東武越生線の1、2番線ホームへ降りていくと、どちらの番線にも列車が停まっていました。

 1番線ホームには4両編成の越生行東武8000系が停車中でした。東武越生線ではまだまだ東武8000系が頑張っています。東武8000系に少しだけ非日常を感じた瞬間です。

 2番線ホームには回送列車が停車中。列車越しの東武東上線ホーム、いい画です。

 まだホームドアが設置されている駅ではないのですが、その代わりにあまり見かけない柵がホームの端から等間隔に設置されています。

 どうやら坂戸駅はセンサーによって人や物を感知して安全性を確保しているようです。安全性としてはホームドアには勝るものではありませんが、センサーで安全を守っているかと思うと少し未来的な駅に感じますね。

 1番線ホームに停車中だった東武8000系越生行が出発するようです。終点越生駅に向けて出発する姿を撮影いたしましたので、よかったらご覧ください。

 列車が発車し全て見渡せるようになった1番線ホーム。東武越生線終着駅の証、行き止り標識を見に行くと・・・残念、行き止り標識はございませんでした。その理由はどうやら東武東上線との直通運転にあるようですね。

 その昔、季節によっては東武東上線の池袋駅と東武越生線の越生駅とを結ぶ臨時列車や川越-越生間の列車が運行されていたので、当時の名残としていまも直通を可能にしてあるのでしょう。東武東上線と東武越生線をつなぐ連絡駅の役割を担っていた坂戸駅は越生線からセメントを運搬させる貨物列車なども走らせていたそうですから、行き止り標識は不要だったわけですね。

 では終着駅としての証は何も無いのか、というとそんなことはありません。駅名標はきちんと片側の次駅表示しかない終着駅仕様の駅名標でした。色は紫色なので、さすが東武東上線連合の路線でした。



 東武越生線のホームを後にして、東武鉄道主要幹線の東武東上線の3、4番線ホームへ参りましょう。

坂戸駅 3番線ホーム

 3番線ホームは寄居方面に向かう下り線ホームです。と言っても現在は寄居駅までの直通運転はございませんので、寄居駅まで行くには手前の小川町駅か森林公園駅で乗り換える必要があります。

坂戸駅 4番線ホーム

 4番線ホームについては池袋方面とは書かれていますが、行先はとても複雑です。少し前までなら東武東上線にそのまま乗車し続けると到着するのは東武東上線の終点池袋駅行か、和光駅から乗り入れる東京メトロ有楽町線直通の新木場行きくらいしか行先はありませんでしたが、2008年(平成20年)の東京メトロ副都心線の開通により、東急電鉄へも乗り入れが実現したことで渋谷や横浜、元町・中華街へも行けるようになりました。

 さらに東急電鉄と神奈川県中部を基盤としている相模鉄道が相互乗り入れを行ったことで、坂戸駅から相模鉄道の終着駅である湘南台駅まで、乗り換えなしで行けるようになりました。乗車時間は長いですが、乗り換えなしというのが嬉しい反面、東武東上線の上り列車は複雑化しておりますので、乗り間違いの無いようにご注意ください。

 東武東上線には特急スペーシアや特急リバティといった特急列車は運行されておりません。そんな中で特急並みに運行されているTJライナーの存在はありがたいですが、ご安心ください! ここ坂戸駅はTJライナーの停車駅となっておりますので池袋駅までは約40分です!

 お目当ての行先の列車が来るまで待てるように、待合室が設置されております。

 いまや箱根駅伝常連校となった大学ですがこの辺にあるんですね。さすが学園商業都市です。

 最初に駅を訪れたとき、駅舎やコンコースがとても立派で驚きましたが、坂戸駅は東武東上線の駅の中で唯一同じ東武線である越生線とを繋いでいた重要な駅だった訳ですから、これくらい立派であるべきですよね。都心へ向かうダイヤは複雑&過密という反面、東武越生線で越生駅まで足を運べば、山間の町でのハイキングや観光が手軽に楽しめるというハイブリッドな駅。両面を持つ魅力的な駅でした。

 どのくらい立派かというと、駅のコンコースはステンドグラスなど施されていて高級感たっぷり。ピアノも弾けちゃったりなんかしてとてもお洒落な駅なんです。



坂戸駅 北口

 江戸時代の頃は八王子方面から日光にまでの街道の宿場町として坂戸は繁栄していたそうです。北口駅前はどこか昔ながらの小さなロータリーで、その奥にはサンロードというこれまた昔ながらの商店街が続いていました。

 「坂戸よさこい」と書かれていますが、四国高知県のよさこい祭が坂戸でも毎年開催されているそうです。街の盛り上げにお祭りは欠かせませんね。



坂戸駅 南口

 南口から見る駅舎も北口同様にとても大きくて外見も立派です。

 駅前はきちんと整備されたロータリーが広がっており、少し飲み屋などが目立ちます。



 今回の駅前食べ歩きは坂戸駅南口ロータリーすぐにある「やきとり ひびき」さんの、やきとりを食してみたいと思います。

 どれも美味しそうで迷ってしまいますが、店先では鶏ねぎま串を推していたので、ぜひいただいてみましょう。

 見た目からして美味しそうですね。注文すると焼き直しというか、あたたかくして提供してくれます。一口食べてみると鶏がもちっとして、柔らかくてジューシー!とっても美味しいです。でも鶏としての味はもちろん美味しいのですが、何かもう一味ピリッとした感じがすますね。

 ひっくり返してみて気付きましたが、鶏ねぎま串に何かかかっていますね。そういえば注文時に如何いたしますか、と聞かれてよく解らずに「ハイ」と返事していたのは、このタレの有無についてでしたか。もちろんタレなんかなくても十分美味しいのですが、このピリ辛のタレによって、さらに美味しい鶏ねぎま串になっていますね。やばいですビールが欲しくなります。

 これがその一味変える秘伝のみそだれです。近隣の東松山では焼鳥ではなく、豚串にこのみそだれを付けて食べるのが名物ですが、坂戸駅では鶏串にみそだれをかけてくれるんですね。東武東上線沿線での名物コラボレーション、最高です。この東松山名物秘伝のみそだれは買って帰るしかありませんね。

 以上、東武越生線、東武東上線、坂戸駅レポートでした。今後は坂戸駅を通ったときや坂戸行の列車や発車案内板を見かけたら、当ブログで見た坂戸駅を思い浮かべてくれたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

反対側の終着駅(始発駅)

当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用はご遠慮ください。ご使用される際はお問い合わせください。

 



コメント

  1. みやちゃん より:

    もやもやしていたことが
    スッキリしました
    レポートありがたいです‼️

タイトルとURLをコピーしました