普段なに気なく乗車している鉄道路線の端と端。終着駅や始発駅がどんな駅か気になったことはありませんか。そんなささやかな関心事をレポートする当ブログ「終着駅は始発駅。」今回はJR「小山駅」の紹介です。
小山駅について
栃木県の南部に位置する小山市に小山駅はあります。栃木県には宇都宮駅、群馬県には高崎駅、茨城県には水戸駅とそれぞれ巨大なターミナル駅があり、それらを「北関東3大ターミナルステーション」と勝手に位置付けておりましたが、新幹線や複数の路線が乗り入れる乗り換え駅ということから、小山駅は北関東3大ターミナルステーションに次ぐ存在の可能性があります。
かつて日光街道の宿場町として栄えた小山の地に小山駅が開業したのは1885年（明治18年）のこと。東北本線の大宮－宇都宮駅間の開通に伴い建てられ駅舎には、当初東北本線のみが乗り入れておりましたが、その後1888年（明治21年）には両毛線が開通。1889年（明治22年）には水戸線が相次いで開通すると、小山駅は東西南北への結節点として重要な交通の要衝となり、さらに1982年（昭和57年）東北新幹線の開業により、栃木県における南の玄関口としての役割を担うこととなりました。
小山駅の近くには、前橋市から水戸市まで北関東の主要都市を結ぶ北関東横断道路、国道50号線が走っていますが、小山駅もJR水戸線では東側の水戸方面、JR両毛線では西側の高崎方面と、東西主要都市を結ぶ北関東横断鉄道が乗り入れる重要な乗り換え駅です。さらに東京駅から東北新幹線に乗車すれば最短40分という、いまや首都圏のベットタウン。これほどまでの駅であれば、もはや北関東3大ターミナルステーションではなく、北関東四天王駅の可能性もあるかも知れませんね。
そんな北関東ターミナルステーション四天王の一角も狙えるかもしれないJR小山駅は、JR水戸線、JR両毛線とどちらも起点駅でありますので「終着駅は始発駅。」の対象駅です。東西南北へと鉄道が広がる結節点の小山駅が普段気になっている方の代わりに、JR水戸線、JR両毛線を中心にレポートして参ります。
JR水戸線
東西自由通路「さくら道」に面した小山駅の改札口。改札口はここ1ヶ所のみなので間違いようがありません。新幹線乗車の方もこちらからです。ではまずはJR水戸線のホームから回って行きましょう。
JR水戸線は小山駅の東端にある15、16番線ホームを使用しております。16番線ホームまである駅とは驚きましたが、全ての番線にホームがある訳ではなく、通過線や待避線だったり謎の番線があったりするので、ホーム番号は結構飛び飛びです。とはいえ16番線まであるとは、ずいぶんと巨大な駅に来ましたね。
JR水戸線のホームは島式ホーム1面2線、15番線には既にE531系列車が停車中でした。
そして列車は北関東あるあるの寒冷地仕様。ボタンを押さないと開かないドアを見ると非日常を感じます。でも寒い北関東の駅において、15，16番線ホームには待合室が見あたりません。これだと冬は寒くて大変だ、と思いましたがご安心ください。
実はJR水戸線ホームへと降りる階段のすぐ手前、コンコース上には待合「室」ではありませんが、待合場が設けられております。しかもサービス満点のテレビ付きです。これなら快適に列車を待てますね。
5両編成の友部行きの発車が近付いてきました。JR水戸線というくらいですから反対側の終点駅は水戸駅と思いがちなのですが、実はJR友部駅が終点駅であることはあまり知られておりません。友部駅から水戸駅の区間はJR常磐線に乗り入れての運行となります。
小山駅は始発駅であり終着駅でもありますので、きちんと15番線には行き止り標識が設置されておりました。でも反対側の16番線には行き止り標識がございません。きっと東北本線への貨物輸送のために繋がっているのでしょうね。
駅名標もこの通り片側の次駅しか書かれていない終着駅仕様。次駅の小田林駅はもう茨城県なので、JR水戸線は小山駅だけが栃木県で、他の駅すべては茨城県ということになります。
北関東を走る鉄道の歴史を紐解くと、殆んど織物産業や養蚕業など糸に関係してくるのですが、やはり水戸線も結城の絹織物業との繋がりがあったそうです。またその先にある下館駅はその昔、真岡木綿の集積地として栄えていたそうなので、開業当初は貨物輸送が主だったのでしょう。
JR両毛線
お次はJR両毛線のホームへ行きたいと思いますが、ここ小山駅はとても広い。というより長いといった方が正しいのですが、改札を抜けてJR両毛線ホームまではとても遠いです。新幹線の改札よりもずっと先なので結構な距離を歩くことになります。
途中コンコースの壁には両毛線沿線ガイドとして、両毛線沿いのスポットを色々と紹介していました。
ここがJR両毛線の入り口ですか。JR水戸線からJR両毛線へ乗り換えをするには結構な距離がありました。普通に歩いて5分くらいはみておいた方が安心です。両線が1本で繋がったらすごく便利になるのにな、と地図を見ては想像しておりましたが、これだけ離れていると実現するまでには困難を極めそうですね。
ホームに降りてみると6番線ホームと8番線ホームがJR両毛線の乗り場と書かれていますが、あからさまに7番線ホームが抜けております。これには謎が残りますね。
電光掲示板を見ても7番線とは書かれておりませんが、ホームとしては基本的に8番線ホームが使用されているようです。
北関東の東側を横断するJR両毛線の起点駅はここ小山駅です。なので駅名標は片方の次駅表示しかない終着駅仕様。反対側の終着駅は群馬県の高崎駅だと思っている方がいらっしゃるようですが、正確なJR両毛線の終点駅は新前橋駅となります。そこから先はJR上越線に乗り入れて高崎駅まで運行しております。
もう一つの終着駅の証である行き止り標識もきちんと設置されておりました。
8番線ホームには4両編成の211系列車が停車中。都心ではまずお目に掛かれない列車に会えてちょっと嬉しいのと非日常を楽しんでおります。
終点駅は形式的には新前橋駅でも、ほとんどの列車は小山－高崎駅間で運行されております。最近の行先表示はLEDのデジタル表示が主流ですが、アナログの方向幕は雰囲気があっていいですね。
先ほど北関東の鉄道の歴史は糸に関係してくるというお話をしましたが、JR両毛線も古くから織物産業で知られる足利市や伊勢崎市、「西の西陣、東の桐生」と並び称されるほど織物の産地として栄えていた桐生市などの織物産業の都市を結び貨物輸送していた路線でした。また沿線には養蚕農家も多かったらしいので、富国強兵の時代を支えた路線の1つだったのではないでしょうか。
それにしても6番、8番線ホームは広いホームですね。新幹線の高架下に位置しているから柱の都合でしょうか。しっかりとした柱がこんなに並んでいるとまるで神殿のようです。
そして列車もしばらくは新幹線高架下を走るので、柱のゲートの間を進んでいく感じがカッコいいです。
小山駅を発車する高崎行211系列車を撮影しましたので、よかったらご覧ください。
さて謎だったJR両毛線の7番線ホームですが、ホーム先端に来ると謎が解けます。いまは柵が立てられて通行できませんが、間違いなくそこには7番線ホームの形跡がありました。線路は撤去されてはいるものの、かつては荷物輸送のホームとして使用されていたようです。
JR宇都宮線（東北線）
宇都宮・黒磯方面
9番、10番線ホームはJR宇都宮線の下り線ホームです。
大体の列車は宇都宮行か小金井行の列車が運行されており、宇都宮駅までは30分弱くらいです。ちなみに新幹線だと10分ちょっとで宇都宮駅に到着します。
10番線ホームには宇都宮行の湘南新宿ラインが停車中でした。
大宮・東京・新宿・横浜・大船方面
12番、13番線ホームはJR宇都宮線、湘南新宿ライン、上野東京ラインの上り線ホームです。
ホーム階段の手前にはコンビニ、パン屋、牛丼屋が並んでいるあたり、上り線長距離列車への対策が伺えます。小山駅さすがです。
その昔、上野駅を発着駅としていた宇都宮線、高崎線、常磐線は湘南新宿ラインや、上野東京ラインの運行開始によって飛躍的に利便性が増しましたよね。ここから東京駅や新宿駅へも1本で行けるなんて最高です。
さらには伊東や逗子までも1本で行けるとは凄い時代です。神奈川県の逗子行きもすごいですが、伊東といえば伊豆半島だし、それってもう静岡県ですよ！ 栃木県の小山から伊豆まで行ける交通システムに驚くばかりです。
私はいままで高崎駅、宇都宮駅、水戸駅の3駅を北関東3大ターミナルステーションと称しておりましたが、小山駅を訪れてみて正直考えが揺らぎました。東北新幹線の停車駅であり、多方面に乗り入れる湘南新宿ラインや上野東京ラインが利用でき、JR水戸線の起点駅でもある。さらに織物産業で発展したJR両毛線の起点駅という巨大ターミナルステーションには、正直圧倒されました。
もうこれからは北関東3大ターミナルステーションではなく、小山駅も含めた「北関東･四天王ステーション」でも良いのではと感じましたが、みなさんはいかがでしょうか。
駅前周辺
小山駅の唯一の改札口を抜けると、そこはさくら道という名の中央自由通路が東西を繋いでおり、飲食店も軒を連ねております。
改札を出てすぐには、駅ビル直結の入り口や
栃木県のお土産を取り扱うお店などもございます。
小山駅西口
大きなロータリーが整備され、路線バスやタクシーが多く行き来していました。
飲食店なども見受けられたり映画館があったりと、小山駅のメインはこちら側と感じましたが、駅前の賑わいは北関東3大ターミナルステーションにはちょっと及ばないかな。
小山駅東口
東口は西口と比べるとあまりお店がある感じではありませんでした。
ただ駅前には白鴎大学の立派な建物がそびえ立っていました。きっと平日などは学生さんでいっぱいなんでしょうね。
駅前食べ歩き
今回の食べ歩きは小山駅改札目の前にある、小山の名産や栃木土産のセレクトショップ「しもつけ銘品館 サクラミチ」さんで取り扱っているお菓子をいただきたいと思います。
さすが新幹線の停車駅。出掛ける前にこちらに寄れば栃木のお土産は事足りてしまいます。そんなお店に入ってすぐの場所にディスプレイされている「恋するいちご」が気になりましたので、食べてみたいと思います。
フリーズドライしたいちごに、ホワイトチョコがコーティングされていて、見た目からして美味しそうです。最初はレポートするので少しずつチビチビと食べていたのですが、それだと酸っぱさばかりが口に残りホワイトチョコの味が楽しめませんでしたので、次からはパクっと一口で一気に食べてみると、これが正解！ 一気に一口で食べるといちごの甘酸っぱさと甘いホワイトチョコが口の中で混ざり合って、いちごミルクを美味しくいただきました。でも本当に美味しいと感じたのは、2つ一緒に口に入れて食べたときでした。1個だとちょっと物足りない･･･。
分かりやすく断面を見せるために半分に切ってディスプレイしているのではなく、半分に切られた状態が1個ですのでお間違いなく。使われているいちごは栃木県産とちおとめなので、栃木県のお土産として大変喜ばれるのではないでしょうか。
以上、JR東日本 JR水戸線、JR両毛線、JR宇都宮線、東北新幹線の小山駅レポートでした。今後は小山駅を通った時や小山行の列車、発車案内板で小山行を見かけたら、当ブログでみた小山駅を思い浮かべてくれたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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