普段なに気なく乗車している鉄道路線の端と端。終着駅や始発駅がどんな駅か気になったことはありませんか。そんなささやかな関心事をレポートする当ブログ「終着駅は始発駅。」今回はつくばエクスプレス「つくば駅」の紹介です。

茨城県の南部に位置するつくば市に首都圏新都市鉄道、つくばエクスプレスの終点駅、つくば駅はあります。現在のつくば市といえば、筑波研究学園都市として国や大手企業の研究機関が多数存在する学術と研究の街として有名です。反対側の起点駅は東京の秋葉原駅。東京都心と学園都市を結ぶつくばエクスプレスは常磐線の混雑緩和を目的とした常磐新線として敷設され、新都市鉄道として重要な役割を担っています。

つくば駅が開業したのは2005年(平成17年)と最近の話ですが、古くから研究学園都市として開発されてきたこの周辺一帯を一躍有名にしたのは、1985年(昭和60年)につくばで開催された国際科学技術博覧会、通称 科学万博ではないでしょうか。
いまは公園として残されている科学万博会場で見た未来の景色が印象に残っている方も多いかと思いますが、当時は科学万博会場までは周辺の駅からバスを利用するしかなく、だいぶ辺鄙な場所だったと記憶しています。あの頃つくばエクスプレスがあったらどんなに便利だったでしょうか。

「つくば」といえば忘れてはならないのが筑波山。もちろん、つくば駅からも筑波山行のバスが運行されている有名な観光名所ですが、江戸時代、江戸城から見て北東に位置する筑波山は江戸の鬼門にあたることから、筑波には寺社が築かれ魔の侵入を防いだとされています。つくばエクスプレスは北東の位置から都心へ運行されていますが、江戸時代の頃から鬼門は封じ込まれていたようですね。

秋葉原まで快速で最短45分と利便性に優れたつくば駅。沿線には多くの住宅が建設され、つくばエクスプレスの利用客も増加の一途を辿っていますが、まだ終着駅であるつくば駅を見たことがない利用客の方も大勢いるのではないでしょうか。そんな終着駅のつくば駅が少し気になっている方や、実は筑波山の麓にある駅だと思い込んでいる方に代わり、どんな駅なのかレポートして参ります。
つくば駅の意外な事実

では早速つくばエクスプレスの終着駅である、つくば駅へ向かおうとしたところ、勝手な思い込みとは良くないことだと改めて気付かされました。信号の標識には「つくば駅前」とは書かれているに駅が無い・・・どういうことでしょう。そうです、つくば駅はこの道路の下、地下に広がっているのです。さすが未来都市つくばですね。

ちょうどこの交差点の下につくば駅が広がっています。秋葉原駅から南千住駅までの都心の地域では地下鉄ですが、その先の埼玉県、千葉県、茨城県では高架区間をよく見かけていたので、当然つくば駅も地上駅だと思い込んでいました。確かに都心以外でも青井駅、六町駅、南流山駅なども地下鉄駅なのでありえる話です。後から市街地に駅を敷設するのは難しいので、解決策として地下鉄なのですね。

そうと分かれば地下に降りて、つくば駅へと向かいましょう。
つくばエクスプレス つくば駅

きっぷ売り場に到着。つくばエクスプレスは関東鉄道常総線、東武野田線、東京メトロ、JR各線と様々な鉄道会社の路線と接続していますが、関東鉄道常総線との乗り換えについては特別扱いです。茨城県同士の鉄道だからでしょうか。それともビジネス的に何か繋がりがあるのでしょうか。

東京の秋葉原駅からつくば駅まで全長58.3キロメートルの路線に20駅が建てられています。地図と照らし合わせてみるとよく分かるのですが、かつて陸の孤島と呼ばれていた地域を縫うように運行しています。ありがたい話ですね。
つくば駅が終着駅で無くなる日
秋葉原-つくば駅間で開業したつくばエクスプレスですが、つくば駅から先に延伸計画が発表されているのをご存じでしょうか。延伸先として、筑波山方面、水戸方面、茨城空港方面、土浦方面の候補が挙げられていましたが、最終的には土浦方面へ延伸して、土浦駅でJR常磐線との接続を目指すそうです。

ということは近い将来、つくば駅は終着駅では無くなり、このブログページも削除しないといけません。ただこの延伸計画のお話は2050年ごろの構想らしく、その頃は人口減少が予想されているため実現するのかどうかはまだ分かりませんけど。

つくば駅の改札は一ヶ所のみ。お客様窓口がガラス張りというのも、ちょっとした未来感があります。

乗車案内のモニターには、列車ごとの停車駅を表示してくれています。初めて乗車する路線では実にありがたいです。つくば駅の時刻表については下記を参照ください。

駅のコンコースもこの通り。カッコいいデザインです。

特徴的なデザインはそのほかの場所でも施されていました。

つくば駅のホームは、島式ホーム1面2線。1番線と2番線で構成されたホームです。

1番線ホームには6両編成のTX-2000系が停車中。TXと車両に大きく描かれているのは、つくばエクスプレスのロゴマーク。TSUKUBAの「T」と、EXPRESSの「X」ですね。この6両編成のTX車両も混雑緩和の対策として、今後8両編成化が予定されています。
駅の先端に行くと出発する列車のカッコいい姿が見られます。これから都心に向かうTX-2000系を撮影してきましたので、よかったらご覧ください。

さて、ここは地下鉄の終点駅。東京メトロ銀座線のように駅の奥には車庫が広がっているのか、それとも行き止まり標識で止められているのか、つくば駅は一体どうなっているのでしょうか。

なんと、つくば駅は行き止まりとなっていました。この先に車庫が無いとすると、終電の後つくば駅のホームには列車が夜間留置されているのでしょう。つくばエクスプレスは守谷市にTX総合基地という立派な車庫を持っていますから、わざわざ地下車庫のために大量の掘削費用や工数を掛ける必要はありませんね。
つくば駅が終着駅であるという証の行き止まり標識も、土浦駅までの延伸計画によっていずれは見られなくなる運命にありますので、この画像は貴重な一枚になるかも知れません。
駅前周辺

正確には駅前ではなく、まだ駅構内ですが、改札口のすぐ傍には最近駅でよく目にする大手コンビニの売店。つくば駅ではファミリーマートでした。これは便利。

さらにスターバックスコーヒーが出店。地下鉄駅構内にスタバがあるのオシャレですね。待ち合わせも苦にはなりません。

こちら一番気になったお店。茨城の地酒立ち飲み屋で、20種類以上の地酒が楽しめるようです。飲み比べセットがあるようなので、茨城県を味わってみてはいかがでしょうか。この他にも茨城県の土産物などを取り扱う物産館などが軒を連ねております。

さて地上に上がってきました。つくば駅前を走る中央通りは片側3車線の立派な幹線道路。やはり都市計画は最初が肝心です。

つくば駅前から筑波山を望むことは出来ませんが、道路標識には筑波山の文字。つくば駅から筑波山までは距離にして20キロ弱くらいありますので、駅前のバスターミナルからバスで行かれるのがよろしいかと思います。


駅前交差点で目立つガラスの筒は、地下のつくば駅へ降りるエレベーターです。なんとなく未来を感じさせるデザインがいいですね。
つくばセンター(バスターミナル)

つくば駅の地上には立派なバスターミナルが整備されております。つくば駅開業以前、科学万博の頃からあったようです。

筑波山へお越しの方は、1番乗り場からバスに乗車しましょう。

このバスターミルでは筑波山行のバスだけではなく、土浦駅などJR常磐線の周辺駅や関東鉄道の駅、成田、羽田空港までの高速バスなど、様々な系統が運行されている、まさに交通の要衝でした。きっと、つくばセンターがここにあったから、つくば駅が造られたのではないか、と思うくらい立派なバスターミナルです。
つくば市中央公園

駅を出てすぐに憩いの場として公園があり、つくばエキスポセンターや美術館などが隣接しています。どう考えてもあのロケットは気になりますね。

科学万博を記念する施設として建設され、万博終了後は天体や宇宙、科学技術を見て、触って、楽しく学べる科学館となっています。

屋外にそびえ立つ高さ50メートルのH2ロケット。本物ではなく実物大の模型とのことですが、それでも目を引くオブジェです。コスモ星丸がなんとも懐かしいです。
駅前食べ歩き

今回の食べ歩きは、つくば市中央公園内の美術館に隣接している「カフェ・オハナ」さん。「フレッシュな美味しさ、そのまま召し上がれ!」と書かれたバナナジュースをいただいたみましょう。

このお店のオリジナルのフレッシュバナナジュース。バニラアイスと混ぜたバナナシェイクではないので、そこまで甘くないですが、この「ほんのり甘い」のが人気だそうです。確かにほんのり甘いのが素材そのものの味なので、まるでバナナを飲み込んでいるようです。今日は暑かったので冷えていたのも美味しく感じました。テイクアウトもやっているようなので、公園を散歩しながら飲むのもいいですね。

以前から気になっていた、つくばエクスプレスの終点駅。来てみたら実は地下鉄駅だったという意外な展開に、やはり自分で訪れることは重要だと痛感しました。駅舎も未来的なデザインが研究学園都市に相応しく、つくばの駅をよく表していました。科学の力で飛躍したは、土浦までの延伸によってどう変わっていくのでしょうか。楽しみです。
以上、首都圏新都市鉄道、つくばエクスプレス、つくば駅レポートでした。今後はつくば行の列車や発車案内板を見かけたら、当ブログでみたつくば駅を思い浮かべてくれたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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