普段なに気なく乗車している鉄道路線の端と端。終着駅や始発駅がどんな駅か気になったことはありませんか。そんなささやかな関心事をレポートする当ブログ「終着駅は始発駅。」今回は遠州鉄道「新浜松駅」の紹介です。
遠州鉄道 鉄道線について

静岡県西部に位置する浜松市の南部に、遠州鉄道鉄道線の起点駅である新浜松駅はございます。反対側の終点駅は新浜松駅から北に向かった先にある西鹿島駅。なので当路線は鉄道線の他に西鹿島線とも呼ばれています。浜松市といえば政令指定都市に指定されている大都市ですが、かつては遠江(とおとうみ)と呼ばれた遠州地方にあたるため、遠州鉄道の名称になったと思われます。近くには東海道新幹線のひかりとこだまが停車駅するJR浜松駅があり、浜松市の中心街を走る路線です。

古くは若き頃の徳川家康が城主を務め、徳川300年の歴史を刻む出世城と呼ばれる、浜松城が建てられた遠江の地に、新浜松駅(当時は旭町駅)が開業したのは1927年(昭和2年)のこと。ちなみに隣接するJR浜松駅(当時は国有)は、東海道本線の整備が求められていた国有鉄道だったこともあり1888年(明治27年)には開業しておりました。

その後東海道新幹線の開通などもあり、新浜松駅は在来線、東海道新幹線への乗り換え駅となり、地域住民に愛される鉄道として、遠州鉄道鉄道線は約18キロの区間18駅を運行しております。

そんな都市交通としての役割を担う新浜松駅は、遠州鉄道鉄道線の起点駅でありますので「終着駅は始発駅。」の対象駅です。地元の浜松に根付いている地方路線が気になっている方に代わって遠州鉄道鉄道線の新浜松駅を中心にレポートして参ります。
遠州鉄道 鉄道線 新浜松駅

新浜松駅はJR浜松駅とは直接接続はしておらず、JR浜松駅から徒歩5分ほどの場所に位置しております。新浜松駅から自動車学校前駅までは高架区間により、新浜松駅改札口は2階となります。しかし自動車学校前駅なんて随分と普遍的ではない駅名だなと思いきや、遠州自動車学校という実は遠鉄グループの教習所だったのです。いやはや遠鉄グループ手広くやられていますね。


2階に上がると自動券売機、改札口があります。改札口は基本こちらの1ヶ所のみなので安心して待ち合わせすることが出来ますね。ところで遠州鉄道では他社の交通系ICカードは使用できませんのでご注意ください。では使用できない他社のカードって何。ということですが、SUICA、PASMO、ICOCA、toicaなどの一般的な交通系ICカードは使用できず、唯一使えるICカードは「ナイスパス」のみとなります。
ナイスパスとは

遠鉄バス・電車で簡単に運賃精算ができる便利でお得なICカードのこと。他社のICカード同様に読取装置にタッチするだけでバスや電車に乗ることができます。しかし独自のICカードを作ってしまうとは遠州グループ、さすが地元に根付いていますね。

時刻表は実に分かりやすく、日中は毎時12分間隔で運行されているので憶えやすいですね。ちなみに全て西鹿島行の列車です。

さて、遠州鉄道のホームへと参りましょう。ホーム階はビルの高さでいうと3階部にあたります。この地方鉄道のローカル感が非日常でいいですね。

相対式ホーム2面2線の駅ですが、殆どの列車は1番線ホームを使用しているようです。反対側の2番線には遠鉄1000形がずっと停車しているので、普段は留置線として使われているのでしょう。

行き先は西鹿島方面のみ。ここは終着駅であり始発駅です。

駅名標もこの通り、片方にしか次駅の表示が無い終着駅仕様の駅名標です。

こちらの駅名標はちょっと変わって「シン・ハママツ駅」と描かれています。どうやらアニメ・エヴァンゲリオンとのコラボレーションのようですね。遠州鉄道は以前も天竜浜名湖鉄道と一緒に「人類乗車計画」としてエヴァンゲリオンデザインの遠鉄ラッピング列車を運行させたりと、コラボレーションに一生懸命でしたからね。こういうアニメのリアル企画は楽しいです。

この木製のベンチ、温もりがあっていいですね。天竜森林組合さんが寄贈してくれたものでしょうか。

1番線ホームには2両編成の遠鉄1000形が停車中。この距離だと1000形なのか新型の2000形なのかが分かりません。

この路線は昔から赤い電車が走ることから、地域住民の方からは「赤電」の名称で愛されております。だから新型でも同じ形にしてしまうのでしょうね。さすが地元の鉄道です。

時間帯によっては4両編成もあるようですね。
そんな赤電が新浜松駅を出発するシーンを撮影しましたので、よかったらご覧ください。

終着駅でもあり始発駅でもある新浜松駅には、当然行き止まり標識が設置されております。ここはビルでいうところの3階となるので、行き止まらないと大変なことになりますね。

ちなみに外側から見るとこんな見え方です。ちょっとカッコいいです。

さて新浜松駅構内を巡ってきましたが、どこにも2番線ホームへの入り口が見当たりません。すると本来の改札口とは別に2番線ホームのみへ行ける、もう一つの改札口があるではないですか。どうやら普段は使用しておらず、お祭りの時など稀に使用することがあるようです。

そして改札階の2階からは遠州グループの遠鉄百貨店本館へと繋がっていました。

繁華街にあるターミナル駅に百貨店とは、まさに私鉄のビジネスモデル通りです。いったい浜松の街にはどこまで遠鉄が浸透しているのでしょうか・・・。
JR浜松駅

東海道本線

さてJR浜松駅といえば東海道新幹線ひかり、こだまの停車駅。そんな巨大なJR浜松駅を少し紹介いたします。

在来線は東海道本線が乗り入れております。あまり静岡県には来ないので、見たことのない運賃表に非日常を感じていまいます。豊橋駅からは飯田線まで記載されているのがまたいいですね。

基本的には1、2番線ホームが上り静岡方面で、3、4番線ホームが下り豊橋・名古屋方面です。

3、4番線ホームへ。普段見慣れないJR東海オレンジの駅名標です。

発車案内にも豊橋や掛川といった、普段目にしない行き先が表示されておりました。

そして出会えたJR東海の標準型列車313系。自分はいま静岡県に居ることを実感しています。
東海道新幹線

5、6番線は東海道新幹線のホーム。
JR浜松駅から新浜松駅へ乗り換え

JR浜松駅から遠州鉄道新浜松駅までは歩いて5分くらい。東海道線改札の方も東海道新幹線改札の方も、まずは浜松駅北口を目指しましょう。

北口へ向かう間に、遠州鉄道への案内表示もございます。

北口に出て左を向くと、大きな遠鉄百貨店(entetsu)の本館と新館がそびえ立っていますので、遠州百貨店の間を進んでください。

まっすぐ進んでいくと、遠州鉄道の高架橋が見えてきます。

そこには2階へと上がる階段がございますので、2階に上がればもうそこは新浜松駅の改札口なので、乗り換えはとても簡単です。
駅前に広がる巨大バスターミナル

浜松駅北口前からは様々な系統の路線バスに乗車することが出来ます。

バスに乗車する際は、一旦地下を通ってバスターミナルへ行くのがよいです。

まるでルーレットのように円形に並べられたバスターミナル。浜松駅も大きいですが、このバスターミナルも結構な大きさの規模で、交通の要衝となっております。

名所へもバスの利用で簡単に行けます。ちなみに浜松城へ行かれる方は1番乗り場のバスがお勧めです。

そして気が付けば路線バスは遠州鉄道のバスでした。ここでも遠鉄グループが活躍しておりました。

さらにタクシーを見ると、遠鉄タクシー・・・もうどれだけ遠鉄ですか。凄すぎます。

浜松といえばヤマハや河合など多くの楽器メーカーが構え、駅前にはハーモニカをモチーフにした超高層ビル、アクトシティがそびえ立つ「楽器の街」。もしくはホンダ発祥の地でありスズキが本社を構える自動車工業都市という認識でしたが、遠州鉄道を見に来て心が揺らぎました。

遠州鉄道を皮切りに遠鉄バスや遠鉄タクシー、そして駅前には遠鉄百貨店、さらに自動車教習所まで遠鉄とは。地域の街づくりを鉄道会社が担っていることはよくあることですが、まさに浜松の地は遠州鉄道グループが担っていました。浜松は楽器の街ではなく、遠鉄の街でしたね。高架橋の下は「電車通り」と名付けられているくらいですから、地域に愛され根付いていることがよく分かりました。あとは遠鉄のプロ野球球団があれば完璧ですね。
駅前食べ歩き

せっかく静岡県に来たのだから静岡限定の美味しいハンバーグをいただきましょう。そのお店が入っているのは新浜松駅前にある遠鉄百貨店。最後まで遠鉄にお世話になります。

静岡県内のみに何店舗も構える、炭焼きハンバーグ「さわやか」さんは、県外からもハンバーグを求めて食べに来るほどの人気店。故に待ち時間が凄いのですが、この日は休日だったこともあってか、なんと140分待ち!でもお腹が空けば空くほど美味しいはずですから、辛抱強く待ちましょう。(店舗によって待ち時間は異なります。)

注文したのは、人気のげんこつハンバーグ。親父のげんこつサイズのハンバーグを目の前で切ってくれ、熱くなった鉄板で中に火を通した後に、人気ナンバー1のオニオンソースをたっぷりとかけてくれます。もう匂いがたまりません。

牛肉たっぷりでとても引き締まっているため、食べる時も崩れたりしません。熱々のハンバーグが美味しいことは間違いありませんが、何といってもこのオニオンソースが堪りません。さらに美味さを引き立てています。もう止まらない、完食まで一直線です。
以前「さわやか」を食べたことがある人に「びっくりドンキー」とどっちが美味しいか尋ねたことがありますが、“比べるものではないよ”と言われたことがあります。わたしも食べてみて分かりましたが、確かにアレはアレ、コレはコレでしたね。本当に美味しかったです、ごちそうさまでした。

ちなみに食べるまでの手順は、こんな感じです。待ち時間が長くてもその分きっとおいしくなるはずです。これは静岡県に行ったら食べるしかありませんね。
以上、遠州鉄道 鉄道線、新浜松駅を中心としたレポートでした。今後は東海道新幹線で浜松駅を通った時や新浜松行の列車、発車案内板で見かけたら、当ブログでみた新浜松駅を思い浮かべてくれたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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