普段なに気なく乗車している鉄道路線の端と端。終着駅や始発駅がどんな駅だか興味を持ったことはありませんか。そんなささやかな関心事をレポートする当ブログ「終着駅は始発駅。」今回は宇都宮ライトレール宇都宮芳賀ライトレール線「宇都宮駅東口停留所」の紹介です。
宇都宮ライトレールについて

宇都宮ライトレール宇都宮芳賀ライトレール線の起点である宇都宮駅東口停留所は、栃木県宇都宮市の中央やや南に位置し、JR宇都宮駅の目の前にございます。反対側の終点「芳賀・高根沢工業団地停留所」との間を14.6キロで結ぶ路面電車路線です。「宇都宮ライトレール」と呼ばれることが多いですが、それはあくまで事業者名であって、市民の公募によって付けられた愛称がございます。その名も「ライトライン」。雷雨の多い宇都宮が「雷都(らいと)」として表現されているそうです。

宇都宮ライトレールが開業されたのは2023年(令和5年)。開業当時、国内では実に75年ぶりの路面電車ということで、様々なメディアで大きく扱われておりましたので、開業の報道が記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。でも75年前に開業されたという路面電車の存在も気になりましたので調べてみたところ、富山県高岡市内などを走る「富山地方鉄道(現在の万葉線高岡軌道線)」ということでした。

工業団地が広がる宇都宮市東部の渋滞緩和のために、宇都宮ライトレールが建設されたと思われがちですが、実は少子高齢化や人口減少を見据え、車が無くても市内を移動できる乗り物として導入されました。ライトレール「LRT(Light Rail Transit)」とは、次世代の交通システムという意味で、環境にも優しく、人が動きやすい公共交通ネットワークを構築していくものと位置付けられております。
そんな次世代公共交通の宇都宮東口停留所は、宇都宮芳賀ライトレール線の起点なので本ブログ「終着駅は始発駅。」の対象駅です。存在は知っていてもなかなか宇都宮まで足を運べない方に代わって、宇都宮東口停留所を中心にライトラインをレポートしてまいります。
ライトライン「宇都宮東口停留所」

早速、宇都宮ライトレールの起点である宇都宮駅東口停留所に向かうところ、行き先表示を見ると「ライトラインのりば」の文字が。なんと公募で決まった愛称で案内されておりました。さすが市民に愛される公共交通。今後はわたしもライトラインと愛称で呼ばせていただきます。

宇都宮駅東口停留所は駅ではありませんので、改札はございません。切符を購入しなくてもホームに入ることができます。

ライトラインが到着するまで、停留所の中を探索。まずは駅名標を確認。次駅の表示が片側しかない終着駅(始発駅)の駅名標です。

インフォメーションパネルのようですが、全体がタッチパネルとなっております。この辺もさりげなく次世代です。

そして駅全体が「Free Wi-Fi」スポットという、ネット社会に融合しているライトライン。

そろそろライトラインが到着する頃なので、乗車口に並びます。「乗車位置」ではなく「乗車目標」という表示がユルくて良いです。

宇都宮駅東口停留所にライトライン(HU300形)の到着です。丸みを帯びたデザインはヨーロッパの路面電車のよう。明らかにいままでの国内の路面電車とは一線を画しています。
さて、いよいよ乗車ですが、停留所には切符の券売機もなく、改札口もありませんでしたが、どのように乗車すればよいのでしょうか。乗車賃はどのように支払えばよいのでしょうか。
ライトラインの乗車方法
交通系ICカードの方

とっても簡単です。すべての乗車口のドアの横には、カードリーダーが設置されていますので、乗車する時は緑色のカードリーダー、降車する時は黄色のカードリーダーをタッチするだけで乗り降りができます。さすが次世代の乗り物ですね。ちょっと先端の時代にいる気分です。
しかも車内で入金(チャージ)が可能です。たとえ残高不足で乗車ししまっても車両先頭部と最後尾に設置されている運賃箱にて入金(チャージ)ができるので安心です。利用可能な交通系ICカードは、totra、Suica、PASMO、Kitaca、manaca、TOICA、PiTaPa、ICOCA、はやかけん、nimoca、SUGOCA の10カード。また、モバイルSuica、モバイルPASMOなども利用が可能とのことです。
現金の方

現金で乗車される方は、まずホーム上に設置されている、整理券発行機で整理券をお取りいただいたら、そのままライトラインに乗車します。
運賃の支払いは、運転席後ろのモニターを確認して、運転士のいる先頭車両の運賃箱に整理券と一緒に乗車賃を投入して降車いたしましょう。

やっとライトラインに乗車です。日中は12分間隔の便利な運行間隔ですが、朝と夜は時間も行き先もまばらになりますので、時刻表をご確認ください。
宇都宮駅東口停留所を出発するライトライン(HU300形)を撮影しましたので、よかったらご覧ください。
今回訪れた「宇都宮駅東口停留所」は起点であり終点でもあるため、行き止まり標識が設置されていますが、この行き止まり標識はいずれ無くなる予定なのです。

実は宇都宮駅西側にもライトラインを走行させるという延伸計画があり、2030年前半の開業を目指して検討が進められているようです。実現すれば群馬県庁や東武宇都宮駅までライトラインで行けるようになり、益々市民の足として活躍することになるでしょう。
JR宇都宮駅

隣接するJR宇都宮駅は、宇都宮線、日光線、烏山線、北海道・東北新幹線や山形新幹線が乗り入れる北関東最大級の巨大ターミナルステーションです。わたしは栃木県のJR宇都宮駅、群馬県のJR高崎駅、茨城県のJR水戸駅をまとめて、北関東3大ターミナルステーションと勝手に呼んでおります。

宇都宮線は湘南新宿ラインや上野東京ラインの運行により大船や逗子、小田原や熱海まで1本で行ける、とても便利な路線になりました。

新幹線に乗車すれば最短約50分で東京駅に到着です。

JR日光駅へは日光線E131系600番台に乗車で約40分。

烏山線では大量の蓄電池を積み、電化区間はパンタグラフ、非電化区間は充電された蓄電池の電力のみで走行可能なEV-E301系ACCUMという、ちょっと珍しい列車を見ることが出来ます。都心ではあまり見ることのない列車が見られたこともあり、非日常を感じています。
JR宇都宮駅、ライトライン 乗り換え案内

ライトラインとJR宇都宮駅の乗り換えはとても簡単です。宇都宮駅東口停留所ホームにあるエスカレーターに乗って宇都宮駅東西自由通路へ。

高いところから見るライトラインもなかなかいいですね。パンタグラフやエアコン、機械類がギュッと詰まっていてカッコいいです。

自由通路に出たらJR宇都宮駅方面へ。

自由通路ではどちらも宇都宮市をホームタウンとしている、プロサッカーチームの「栃木SC」とプロバスケットボールチームの「宇都宮ブレックス」を応援していました。

このまま真っ直ぐ行き、少し奥に入ればJR宇都宮駅の改札に到着です。ゆっくり歩いても約5分といったところでしょうか。
駅前周辺

ライトラインの宇都宮駅東口停留所の目の前には、とても未来的な光景が広がっています。ホールや会議室などの施設「ライトキューブ宇都宮」に併設されている、ホテルや商業施設、噴水や巨大な階段などの憩いの場はもはや宇都宮のランドマーク。以前はこの辺、駐車場や餃子店舗の集まりだった記憶していますが随分変わりましたね。

スーパーや飲食店、家電量販店など様々なお店が集う複合商業施設「ウツノミヤテラス」。

おみやげ売り場にはいくつかライトラインのお菓子などが売られていました。本物を見た後だとついつい買ってしまいます。でも、もっと色々あると楽しかったのに。
以上、宇都宮ライトレール、宇都宮芳賀ライトレール線、宇都宮駅東口停留所レポートでした。今後は宇都宮駅を通ったり、ライトラインの情報を見かけたら、当ブログを思い浮かべてくれたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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