京成電鉄「松戸駅」:京成松戸線「新京成電鉄から京成電鉄へ。合併によって生まれ変わった京成松戸線の松戸駅に訪れた変化とは。駅ナンバリングルールが統一され、最も変わってしまったこととは。」

スポンサーリンク

 普段何気なく乗車している鉄道路線の端と端。終着駅や始発駅がどんな駅か気になったことはありませんか。そんなささやかな関心事をレポートする当ブログ「終着駅は始発駅。」。今回は、新京成電鉄を吸収合併し、京成電鉄松戸線として生まれ変わった京成線「松戸駅」のご紹介です。

 千葉県北西部に位置し、チーバくんの鼻下あたりにある松戸市。その松戸市の南西部に、京成電鉄松戸線の松戸駅はあります。京成電鉄松戸線は、松戸駅から千葉県習志野市の京成津田沼駅まで25キロを運行する路線です。以前は新京成電鉄「松戸駅」でしたが、2025年(令和7年)4月1日に親会社であった京成電鉄と合併し、現在は京成電鉄「松戸駅」として営業しています。

 松戸駅には、他にもJR常磐線や東京メトロ千代田線直通の常磐各駅停車が乗り入れています。さらに一駅進めばそこは東京都という、好立地な駅です。
松戸駅の開業は1896年(明治29年)。当初は現在のJR(当時は日本鉄道)の駅のみが開業していたそうです。京成電鉄松戸線(当時は新京成線)の松戸駅開業はそこからさらにずっと先の1955年(昭和33年)と、鉄道の歴史からするとやや新しい路線です。

 新たに京成電鉄として生まれ変わったばかりの松戸駅。最高速度160キロの京成スカイライナーを運行させ、大手私鉄16社に名を連ねる巨大鉄道会社である京成電鉄が松戸駅に乗り入れることに、まだ少し違和感を覚えます。本レポートでは、京成電鉄となって何が変化したのかを中心に、京成電鉄松戸線の松戸駅を詳しくお伝えします。



 京成電鉄と新京成電鉄、誰が見ても何かしらの関係性を感じてしまう二つの会社。その始まりは、戦後に京成電鉄が旧日本陸軍鉄道連隊の演習用だった路線の払い下げを受け、新京成線として開業させたことにありました。そして2025年4月1日に両社は合併し、新京成電鉄は京成電鉄として生まれ変わったため、松戸駅にもにわかに変化が生じています。

 まずはきっぷ売り場です。大きく「京成線」と書かれています。合併直後に訪れたこともあってか、まだ新京成線のきっぷ売り場を探している方をちらほら見かけました。案外知られていないのかもしれません。

 路線図も一新され、京成松戸線は京成線の一部として、しっかりと記されていました。

 自動券売機も京成電鉄のものに置き換えられていました。では、京成線のきっぷを買って改札へ向かいましょう。

 松戸駅が改修工事中だったため、全く同じ場所ではありませんが、新京成線当時のきっぷ売り場はこのような感じでした。

 ちなみに、松戸駅の改修工事とは、線路上空に人工地盤を構築して駅ビルを建てる、松戸駅大リニューアル工事のことです。2027年春頃のリニューアルオープンを目指しているようです。



 京成線の改札口は1ヶ所のみで、JR線とは別の改札口になっています。JR線から乗り換える方は、駅構内にある乗り換え改札機を利用すれば、いちいち改札口を出入りする必要はありません。

 新京成線の頃の改札口は、現在とほとんど変わっていませんね。「京成線」という表示に変わったくらいでしょうか。

 発車案内に表示される京成津田沼行きに千葉中央行き。新京成線時代は千葉中央駅への乗り入れとされていましたが、いまは京成線同士の運行です。

 発車案内表示に新京成線時代からの変化を発見。左上に「新京成電車 発車ごあんない」の文字がなくなっています。まるで間違い探しをしているみたいですね。

 松戸駅には1番線から8番線までホームがあり、そのうち7番線と8番線が京成線です。この点は以前と何も変化ありませんね。では、ホームへ降りていきましょう。

 京成線ホームは島式ホーム1面2線。7番線ホームには京成津田沼行の8800形が停車中です。新京成線時代に走っていた列車なので、新京成電鉄のコーポレートカラーのピンクが眩しいです。ピンクに塗装される前は野暮ったいクリーム色でした。

 消えゆく新京成線時代の列車をしみじみ見ていると、なんとなく違和感を覚えました。

 新京成電鉄時代の写真。違和感はロゴマークでした。京成線になったことで新京成のロゴが白く塗りつぶされていたんですね。どうりでスッキリしていると思いました。



 駅名標も京成線仕様となり、ずいぶんと落ち着いた雰囲気になりました。以前の駅名標はピンク基調でかわいらしさがあったので、随分と変わった印象ですね。

 新京成電鉄時代のピンクを基調とした駅名標です。

 どちらも片側の次駅表示しかない終着駅仕様の駅名標。終点なので当たり前ですね。ただ、駅ナンバリングに違いがあることに気がつきました。新京成電鉄時代は「SL01」、京成線になると「KS88」と表示されています。合併したので駅ナンバリングが変わるのは当然ですが、起点と終点が入れ替わっているように感じますね。

 合併前の新京成電鉄時代は、松戸駅が起点駅で京成津田沼駅が終点駅でした。そのため駅ナンバリングは、新京成電鉄の独立したルールで付与された「SL01」と振られていました。しかし、合併後の現在は既存の路線体系と整合性をとるため、京成津田沼駅が起点駅で松戸駅が終点駅に入れ替わっています。路線名が「松戸線」であるにもかかわらず、松戸駅が起点ではないようですね。

ところが、運行案内では松戸方面行きが「上り」、京成津田沼駅方面行きが「下り」とアナウンスされています。これは、正式な起点駅は京成津田沼駅であるものの、運行上の起点駅は松戸駅という、双方に配慮した結果なのかもしれません。どちらも重要な駅なので、上り・下りの判断は確かに悩ましいところですね。

 とはいえ、起点でも終点でも終着駅です。松戸駅には終着駅の証、行き止まり標識が設置されております。

 駅名標の下には時刻表がありましたが、相変わらずの過密ダイヤでした。特に朝の7時台は、発着本数が驚くほど多いですね。

 まだ新京成電鉄時代に、松戸駅を発車する京成津田沼行8900形列車を撮影しましたので、よかったらご覧ください。

 合併後の松戸駅は、一見すると大きな変化がないように見えます。しかし、案内表示や駅名標が京成電鉄仕様に一新され、新たな姿に生まれ変わっていました。

中でも一番大きな変化は、これまでの起点駅が終点駅になったことでしょう。新京成電鉄の独立した駅ナンバリングのルールから、京成電鉄のルールに合わせるのは全体の効率化と利用者の利便性向上を考えてのことだと思います。京成電鉄の主要幹線である京成本線に近い駅が若い番号になるのが、駅ナンバリングの自然な流れなのかもしれません。ただ、松戸駅が路線の末端になったことは、少し寂しく感じる方もいるかもしれませんね。

 新京成電鉄時代の松戸駅やJR線まで含めたレポートは、下記からご覧いただけます。



 松戸駅東口から少し歩いたところにあった新京成のバスターミナルは、合併後もそのまま存在していました。しかし、バスのデザインは京成バスのものではなく、新京成バスのままのようです。

 乗車口にところまで来ると、そこには「京成バス」の表示がありました。それはそうですよね。新京成バスの後に、京成バス以外が運行できるわけないですからね。

 合併とともに新京成バスは、「京成バス 千葉ウエスト」として新たにスタートしていました。それにしても「3333」とは良いナンバーですね。



 以前も松戸駅でラーメンの食べ歩きを行いましたが、松戸駅東口は知る人ぞ知るラーメン激戦区。行列のできる有名店をはじめバラエティに富んだラーメンが楽しめます。

 今回は松戸駅東口徒歩3分の「兎に角」さんに突入。お昼前少し並びました。

 入店後、周りの若いお客さんたちが油そばを注文している中、私は「油」という言葉に抵抗を感じ、つけ麺を注文しました。太麺に魚介のつけ汁が絡んで一口目は美味しかったのですが、食べ進めるうちにつけ汁の味が薄く感じられるようになりました。きっと行列ができるのは、あの油そばに違いないと察し、次回は油そばに挑戦することを決めました。

 以上、京成電鉄松戸線の松戸駅レポートでした。今後は京成線の路線図で松戸駅を見つけたとき、松戸行の列車や発車案内表示を見かけたら、当ブログで見た松戸駅を思い浮かべてくれたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用はご遠慮ください。ご使用される際はお問い合わせください。





コメント

タイトルとURLをコピーしました