普段何気なく乗車している鉄道路線の端と端。終着駅や始発駅がどんな駅か気になったことはありませんか。そんなささやかな関心事をレポートする当ブログ「終着駅は始発駅。」。今回は上信電鉄上信線「高崎駅」の紹介です。
高崎駅について
「つる舞う形の群馬県」の南部に位置する高崎市。その東部に高崎駅はあります。高崎駅の開業は1884年（明治17年）と古いのですが、この時点ではまだ現在のJR高崎駅のみの開業で、上信電鉄の高崎駅は11年後の1897年（明治30年）に「上野（こうずけ）鉄道」として開業しました。JR高崎駅は上越・北陸新幹線をはじめ、在来線も数多く発着する北関東最大級のターミナル駅ですが、対称的に上信電鉄の高崎駅は駅の端にひっそりと佇んでいます。
いまではひっそりと佇む上信電鉄高崎駅ですが、1871年（明治4年）に官営富岡製糸場の稼働が開始されると、生糸の大量輸送を行うための鉄道が必要となり、上信電鉄が誕生。養蚕製糸業は外貨獲得のための国策であったことから、当時は上信電鉄がいかに重要な路線であったかが伺い知れます。
上信電鉄上信線「高崎駅」
高崎駅は上信電鉄上信線の起点駅。反対の終着駅は、こんにゃくで有名な下仁田駅（群馬県）で、高崎駅から西へ33.7キロを21駅で結んでいます。沿線には世界遺産に登録された富岡製糸場があるため、多くの観光客に利用される駅です。
上信電鉄という名前の由来は、「上州」から「信州」までを繋ぐ運行が計画されていたことから。当時の社会情勢の悪化による資金不足から、終点下仁田止となってしまいましたが、ロマン溢れる路線です。同じ高崎駅とは思えませんが、非日常を感じられるとてもよい駅です。
こちらは時刻表。よく見ると発車時刻と到着時刻が書かれています。あまり見かけないため不思議な感じですが、この時間に到着するので、乗車してお待ちください。ということなのでしょうね。なんともやさしい対応です。
趣ある0番線ホーム
上信電鉄高崎駅が使用しているホームは0番線です。0番とは珍しいですが、元々この場所は高崎駅の端にある旧1番線ホームでしたが、1番線よりさらに端から乗車するため、数えてみれば1番線の手前ということで0番線になったようです。
柱にはJR高崎駅の駅名標が設置されたまま。旧1番線の痕跡がいまでも残っています。
0番線ホームには長いベンチが設置されています。木のぬくもりがいいですね。
そしてこの縦型駅名標に掲出されている「上毛新聞」の文字。これを見ると、私はいま北関東に居るな。群馬県に来たな。と非日常を味わうことができます。
そしてここは上信電鉄上信線の起点駅。行き止まり標識を確認しました。
上信電鉄250形が高崎駅0番線ホームへ入線しました。
到着後直ぐに下仁田行きへと方向幕を変え始発列車へ。まさに終着駅は始発駅です。
そんな250形が高崎駅0番線から出発するシーンを撮影しましたので、よろしければご覧ください。
電車型待合室
0番線ホームの端にはもう動かない車両が置かれており、中で休憩できるのをご存じでしょうか。
その名も「シルクの間」。さすが富岡製糸場を走る路線ですね。
残念ながら、新型コロナウィルス以降の使用については制限がありますが、自動販売機の使用とこちらの座席はギリギリ使用可能のようです。
そしてホームの壁には上信電鉄沿線のみどころが紹介されていました。
上信電鉄沿線には様々な名所や観光地がありますが、やはりイチオシは富岡製糸場でしょうか。駅構内に立派な電飾看板が掲出されていました。
高崎駅から富岡製糸場のある上州富岡駅までは約40分くらいです。下仁田駅行か上州富岡駅行のどちらかしかないので、どの電車に乗っても上州富岡駅まで行けますので安心です。
上信電鉄 高崎駅 乗り換え
世界遺産の富岡製糸場まで行かれる方、JRから上信電鉄へ乗り換える際は、JR線改札口を抜けたら中央コンコースをそのまま西口方面へ直進すると「上信電鉄は階段下へ」との案内が出てきます。
階段を下りると、今度は左へ曲がれの指示が。
お次は右に。駅はまだですよ。
まっすぐ道なりに進むと、上信電鉄 高崎駅に到着。JR高崎駅の改札からの所要時間は、切符を購入して乗車するまでを考えると、10分程見ておけば焦らずに済むと思います。安全にゆっくり移動しましょう。
上信電鉄は交通系ICカードが使えませんので注意しましょう。発券機で切符をご購入下さい。
以上、上信電鉄上信線 高崎駅レポートでした。今後は高崎行の列車や、発車案内板で高崎行の文字を見かけたら、当ブログでみた高崎駅を思い浮かべてくれたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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