東武鉄道「浅草駅」:東武伊勢崎線、東武スカイツリーライン「急カーブの先には特急列車の豪華共演。これが東武鉄道が誇る主要幹線のターミナルステーションだ。」

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 普段なに気なく乗車している鉄道路線の端と端。終着駅や始発駅がどんな駅か気になったことはありませんか。そんなささやかな関心事をレポートする当ブログ「終着駅は始発駅。」今回は東武鉄道「浅草駅」の紹介です。

 東京都23区のひとつ台東区の東端、雷門や浅草寺などの観光地として有名で、毎年夏に大江戸花火大会が開催される隅田川のほとりに、東武伊勢崎線や東武スカイツリーラインなど東武本線の起点駅である浅草駅は存在しています。

 元々旧浅草駅は隅田川を越えた反対側にある、とうきょうスカイツリー駅(以前は業平橋駅)の場所に建てられていたそうですが、1931年(昭和6年)に線路が延長され現在の場所に浅草雷門駅という駅名で誕生しました。

 その後1945年(昭和20年)からは正式に浅草駅へと改称され現在に至るとのことですが、1927年(昭和2年)には既に地下鉄銀座線が浅草-上野間で開業されていましたので、浅草駅という名称はすでに存在していました。

 東京浅草、かつて繁栄を極めた歓楽街。日本人なら一度は聞いたことのある地名かと思います。そんな浅草の玄関口となる、東武鉄道浅草駅は、松屋浅草や駅見世など商業施設が入る、地上7階地下1階建ての巨大駅ビルの2階部分にプラットホームを構える、とても近代的なターミナルステーションです。

 巨大な駅ビルの2階へとレールが敷かれ、列車が建物に吸い込まれては、列車が飛び出して行くのをはじめて見たときは、なんと未来的な駅なのだろうかと興奮したものです。(子供の頃の話です)他の路線ではまずお目に掛ることのない90度曲がる急カーブがあったり、カーブの影響でホームが狭く乗り降りが困難な場所があったりと、とても特徴的で変わった駅ですが、しっかりと関東の駅百選に選定されております。

 東武鉄道の主要幹線でもある東武伊勢崎線の起点駅ですから、どんな駅なのか気になっている方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。浅草駅から特急に乗車し旅へ行く人、また上京して辿り着く東京の終着駅。そんな様々な思いが集まる東武本線の浅草駅を訪ねて参りました。
 



東武本線の起点となるターミナルステーション

 百貨店やテナントが入る巨大建造物の2階に構える東武鉄道 浅草駅ですが、切符売り場や特急券売り場は駅に入って直ぐの1階コンコースに設置されておりますのでお気を付けください。

 そして地下に降りれば東京メトロ銀座線。駅を出て200m程歩けば都営浅草線へ乗り換えることが出来ます。ちなみに東京メトロ銀座線の浅草駅は1927年(昭和2年)12月30日に日本初、いや東洋初の地下鉄として浅草駅-上野駅間で開業されましたので、東武鉄道浅草駅よりもずっと昔から存在していたということになります。地上は百貨店直結の巨大駅ビル、地下には東洋初の地下鉄が走るとは、当時の浅草は栄えていたんですね。

 2階へ上がると正面改札口が広がっております。改札口は全部で2ヶ所、北千住方面に北改札口が1階にございます。浅草駅は2023年(令和5年)7月の特急スペーシアXデビューに合わせて、改札口からスペーシアXのホームまでを部分的にリニューアルしました。

 改札を抜けて浅草駅構内に入ると、1番線から5番線までのホームが目の前に広がり、ビルの中であることを忘れてしまいそうです。

東武浅草駅 正面改札口

 写真はリニューアル以前の改札口。やはり少し雰囲気が違いますね。リニューアル以前に訪れた時の様子を少しご紹介。

 列車案内を見ると特急、急行、準急、普通列車が矢継ぎ早に発着を繰り返しており、さすが都会のターミナルステーションです。2番ホームには北千住行の東武10000系列車が出発を待っていました。

東武10000系「北千住行」

 普通列車は殆どが北千住駅止まりです。

東武浅草駅1番線 行き止り標識
東武浅草駅2番線 行き止り標識

 東武鉄道の主要幹線であり、東武伊勢崎線や東武スカイツリーラインの終着駅でもある浅草駅の行き止り標識です。東武本線の起点であり終点。館林駅葛生駅西小泉駅太田駅赤城駅新栃木駅東武宇都宮駅下今市駅東武日光駅などへと枝分かれする長い長い旅がここから始まります。

 となると、東武鉄道 浅草駅構内の駅名標のカラーリングは、東武伊勢崎線属性なのか、東武スカイツリーライン属性なのか、気になりませんか。駅構内を少し探すと、浅草駅の駅名標がございました。その結果は・・・

東武浅草駅 駅名標

 やはりオレンジ色ベースにブルーラインの駅名標。東武スカイツリーライン属性でした。何と言っても東京スカイツリーを運営する会社は「東武タワー スカイツリー株式会社」という東武鉄道の関連会社。東武線地域の観光地化を狙う東武鉄道肝いりのプロジェクトなので、首都圏近郊は東武スカイツリーライン推しというのも納得です。ちなみに東武スカイツリーラインとは、浅草駅や押上駅から東武動物公園駅の区間を指します。

東武スカイツリーライン
東京メトロ日比谷線

 普通列車に乗車し北千住駅まで行くと、やはり北千住駅も東武スカイツリーライン属性でスカイツリーラインの駅名標でした。ただ東京メトロ日比谷線直通の上り線ホームには、東京メトロの駅名標が掲示され、きちんとすみ分けがなされておりました。



東武鉄道 浅草駅名物90度急カーブ

 東武鉄道 浅草駅といえば有名な名物がございます。とうきょうスカイツリー駅を出発し、隅田川を渡り浅草駅と到着する手前に、なんと90度も曲がる急カーブがあり、通り過ぎる列車が甲高い音を響かせることから、東武浅草駅の特徴のひとつとなっております。

 何故そんな急カーブにする必要があったのか。昭和初期、東武伊勢崎線は山手線接続のターミナル駅を目指して、とうきょうスカイツリー駅(以前の業平橋駅)から上野駅まで延伸する申請を国に提出していたのですが、悔しくも却下され浅草に駅を建設することになります。どちらにしても浅草駅は必要だったので、本来だったら隅田川を越え真直ぐ行った先に駅を建設したいはずなのですが、実はその先には浅草寺の敷地があるためその計画も断念。その結果、浅草寺を避けて現在の駅の場所に建設するためには、駅の直前で大きく曲げて急カーブで対応せざるを得なかった、ということみたいです。そりゃ浅草寺の境内に入る訳には行きませんし。当時賑わっていた浅草だったら山手線と接続していなくても、地下鉄銀座線が開通していたので、さほど問題では無かったかも知れませんね。

 ただその急カーブの影響は、甲高い音を響かせるに留まらず駅のホームにも特徴をもたらしています。真直ぐなホームであれば列車扉のどこからでも乗り降りできるのですが、浅草駅は急カーブに近付けば近づくほどホームが先細りして、ホームを歩くことすら困難となり立入禁止地帯となります。そのため乗り降り出来ませんのでご注意ください。(ドアそのものが開閉しませんのでご注意ください。)



東武鉄道 特急列車の豪華共演

 東武鉄道 浅草駅の見どころは何と言っても、東武鉄道が誇る豪華特急列車の共演ではないでしょうか。特急列車乗り場は3、4、5番線が専用ホーム。ここから先は特急券が必要となります。

 特急券を購入する1階のモニターには「本日の特急列車のご案内」が表示されております。東武日光、鬼怒川温泉、赤城など観光地へ向かう列車ばかりで、モニター見ているだけでも旅行気分にさせてくれます。時刻の左側にある列車のアイコンがカッコいいです。

 ちなみに当日の特急券であれば、ホーム上に設置してある券売機で購入が可能です。

 ホームには東武100系「特急スペーシア」や東武500系「特急リバティ」と、どの時間帯でも何かしらの特急列車が停車しておりましたが、やはり特急の中でもひと際目を引くのが東武N100系「特急スペーシアX」ではないでしょうか。

 特急スペーシアXは5番線が専用ホーム。もうこの時点で他の特急列車と差別化がされていますね。

 スペーシアXのデビューに合わせて壁を木目調にしたりと、ホームの雰囲気も以前の5番線ホームから随分と変わりました。

 そしていくら新型の特急列車が投入されてもどうにもならないのが、乗車時のすき間問題。急カーブの浅草駅ホームでは仕方がないですけど。

 スペーシアXが浅草駅に到着するシーンを撮影しましたので、よかったらご覧ください。急カーブで生じるのホームとの隙間にも注目です。

 足元にも特急列車はコチラと案内しております。アイコンで分かりやすいのがいいですね。スペーシアXはロゴだけというのもカッコいいです。

 かつて劇場や娯楽施設が立ち並び、日本一の興行街として賑わっていた浅草に建つ巨大駅ビルの浅草駅。今となっては訳あって現在の場所に建ち、90度の急カーブが特徴的なことも、時代が造り上げた良き産物。きっと東武本線にとって、ここ浅草駅は特別な存在なのでしょうね。この先も特急列車が浅草駅に乗り入れる限り、進化し続けていくのが楽しみです。



駅前周辺

 浅草駅は国道6号線(水戸街道)に面しており、交通量も多く駅を出てすぐに都会であることを感じさせます。

 隅田川にほど近いため駅を出てすぐに吾妻橋があり、吾妻橋からは東京スカイツリーをきれいに眺めることが出来きます。

 川沿いには観光船や屋形船乗り場があり、船からも東京の街並みを楽しむことができます。

 吾妻橋の袂の交差点には、電気ブランで有名な「神谷バー」がございます。日本初のバーとして1880年(明治13年)に創業。建物も1921年(大正10年)に建てられたものを、今も当時のまま使用している由緒あるバーです。

 浅草のランドマークのひとつ雷門。いつも多くの観光客で賑わっております。正式名称は「風雷神門(ふうらいじんもん)」といい、風神と雷神を門の左右に奉安していることに由来するそうです。

 もうひとつ雷門の提灯の近くに行かないと分からないことですが、提灯の底はとても凝った彫刻が施されておりました。これが江戸の粋でしょうか

 雷門から浅草寺へと続く仲見世商店街は、江戸時代にできた日本で最も古い商店街の一つ。こちらもたくさんの観光客で賑わっていました。



ギャラリー

 以上、東武伊勢崎線、東武スカイツリーライン「浅草駅」レポートでした。チューハイ飲みながら煮込み食べて帰ります。

 実はまだ東武伊勢崎線、東武スカイツリーラインの起点については完結しておりません。浅草駅続編の「東武が誇る主要幹線の起点は1つじゃない!? 消えたナンバリング「TS03」を追え!」をご覧ください。

東武が誇る主要幹線の起点は1つじゃない!? 消えたナンバリング「TS03」を追え!

反対側の終着駅(始発駅)

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浅草駅 アクセス



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