鹿島臨海鉄道、JR東日本「水戸駅」:大洗鹿島線、JR常磐線、JR水戸線、JR水郡線「北関東最大級のターミナルステーションから聞こえてくる、ディーゼルエンジン音に誘われて。」

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 普段なに気なく乗車している鉄道路線の端と端。終着駅や始発駅がどんな駅か気になったことはありませんか。そんなささやかな関心事をレポートする当ブログ「終着駅は始発駅。」今回は鹿島臨海鉄道など「水戸駅」の紹介です。

 茨城県のほぼ中央に位置する水戸市に水戸駅はあります。水戸といえば江戸時代の徳川御三家のひとつ、水戸徳川家の水戸藩だった場所。現在では県庁所在地として茨城県の中心地となり、水戸駅には鹿島臨海鉄道やJR東日本の複数路線が乗り入れる乗り換え駅であったりと、鉄道でも茨城県の中心的役割を担っています。

 水戸駅が開業したのは1889年(明治22年)のこと。日本で最初の鉄道が新橋-横浜間で開通したのが1872年(明治5年)なので、水戸駅にしては鉄道開通が少し遅めなのかなと感じますが、ちなみに江戸幕府第15代将軍の徳川慶喜が京都二条城で大政奉還を行ったのは1867年(慶応3年)のことなので、江戸幕府が終わってから22年後には鉄道が開通していたと考えると、早いなと思えてしまうから不思議。

 現在では東京と仙台とを結ぶJR常磐線や北関東3県に繋がって行くJR水戸線が小山駅まで連絡し、他にもJR水郡線や鹿島臨海鉄道の大洗鹿島線が乗り入れる巨大ターミナルステーションです。高崎駅宇都宮駅と並ぶ北関東3大ターミナルステーションのひとつではありますが、新幹線が通っていないのが水戸駅としては悔しいところ。でも上野駅から特急列車に乗車すれば水戸駅までは90分で到着してしまうので、新幹線が有るか無いかはさほど問題にはならないですかね。

▼JR上野駅からJR水戸駅までの時刻表はこちらで確認ください。

 そんな巨大ターミナルステーションの水戸駅は、鹿島臨海鉄道大洗鹿島線の起点駅でありますので「終着駅は始発駅。」の対象駅です。JR線で水戸駅を通る時、多くの通勤通学客の方は駅の端っこに停車している鹿島臨海鉄道が気になっていることでしょう。そんな普段気になっている方に代わって鹿島臨海鉄道大洗鹿島線の水戸駅を中心にレポートして参ります。



鹿島臨海鉄道 大洗鹿島線 水戸駅

 水戸駅構内。鹿島臨海鉄道の乗車切符はJRと共通ですので自動発券機でお買い求めください。

 さて改札を抜けようと思いますが、なんという煌びやかで華のある改札口なんででしょうか。先ほど新幹線が通っていない云々とか書いてしまいましたが、改札口の豪華絢爛さでいったら、北関東3大ターミナルステーションの中で間違いなくトップでしょうね。さすが徳川家所縁の地です。

 水戸駅は1番ホームから8番ホームまであります。1~7番ホームまではJR東日本が使用し、一番端にある8番ホームを鹿島臨海鉄道大洗鹿島線が使用しておりますので、まずは8番ホームへ向かいましょう。

鹿島臨海鉄道大洗鹿島線では、ICカード(Suica・PASMO等)は使えません!

 JR線から鹿島臨海鉄道へ乗り換えの場合は、一旦改札口を出て鹿島臨海鉄道のきっぷを購入して入場するか、8番ホーム入口付近に設置してある簡易改札機にICカードをタッチして、JR線の運賃を精算してから乗り換えましょう。

 またその逆の場合、鹿島臨海鉄道からJR線に乗り換える場合も簡易改札機にICカードをタッチして入場記録を付けてから乗り換えましょう。

 鹿島臨海鉄道の水戸駅は大洗鹿島線の起点駅であります。反対の終点駅は茨城県鹿島市にある鹿島サッカースタジアム駅ですが、列車は鹿島神宮駅まで運行されます。鹿島といえばJリーグ屈指の強豪クラブチームの鹿島アントラーズが有名ですが、鹿島サッカースタジアムは鹿島アントラーズのホームグラウンドなので、水戸ホーリーホックの水戸駅と併せてJリーグ観戦でも多く利用される路線です。(ケーズデンキスタジアム水戸へは水戸駅から臨時バスがでていますよ)

 余談ですが、鹿島サッカースタジアム駅という駅名は割と長い駅名かと思いますが、さらに長い駅名が大洗鹿島線には存在するのをご存知でしょうか。その名も「長者ヶ浜潮騒はまなす公園前駅(ちょうじゃがはましおさいはまなすこうえんまえ)」。こちらは全国的に見ても長い駅名ランキングでは上位にランクインする駅名です。公園前が付く長いタイトル名だとわたしの大好きな漫画「こち亀」を思い出してしまいます。

 あいにくの空模様でしたが、真っ赤に映える6000形が8番ホームに停車中でした。元は貨物輸送が専門だった鹿島臨海鉄道でしたが、1985年(昭和60年)より旅客営業運転を開始した大洗鹿島線。その当時から6000形は活躍しているそうです。頑張っていますね。

 水戸駅に来ただけでも非日常なのですが、大洗鹿島線の行先を見ると大洗や新鉾田、鹿島神宮など普段目にしない名前がズラリ並んでいて、さらに非日常感が増します。

 反対側の7番ホームには特急列車が停車するからだと思いますが、ありがたいことに駅のホームにはJR東日本のコンビニ「ニューデイズ」が出店しています。でも何か色見や形に違和感がありませんか。

 裏に回ってみると、なんとE653系の形をしていたんですね。なかなか凝った造りをしています。

 発車を待つ6000形。大きな駅の端っこに停車している気動車から、ディーゼルエンジン音が誇らしげに響いています。いい音させていますが、もう鹿島神宮行が出発するようです。終点鹿島神宮駅に向けて出発する姿を撮影しましたので、よかったらご覧ください。

 列車は鹿島神宮駅に向けて出発し、ディーゼルの音が消えたホームは静かに次の列車の到着を待っています。留置線には貨物列車がたくさん停車していました。

 鹿島臨海鉄道の水戸駅は終着駅ではありますが、終着駅の証である行き止り標識がありません。恐らく貨物輸送のため水戸駅より先に行くからでしょうね。でも駅名標は次駅が片方しか書かれていない終着駅仕様のものでした。

 そして8番ホームには水戸止まりの6000形が到着しました。終着駅に到着後すぐに列車は鹿島神宮行の始発列車となります。まさに終着駅は始発駅ですね。

 鹿島臨海鉄道大洗鹿島線の8番ホームのレポートは以上となります。この後は北関東3大ターミナルステーションの一角を担うJR水戸駅を少しだけご案内いたします。



これぞ北関東3大ターミナルステーション

JR水戸駅 1・2番ホーム

 群馬県の高崎駅と栃木県の宇都宮駅、そして茨城県の水戸駅はどれも巨大な駅のため、わたしが勝手に北関東3大ターミナルステーションと呼んでおります。JR水戸駅は島式ホーム4面8線の巨大な駅で、上り線は東京、下り線は宮城県仙台までを結び、鹿島臨海鉄道の他にもJR水郡線の起点駅だったりと北関東を代表するターミナルステーションです。

 JR水戸駅が起点駅であるJR水郡線は1、2番ホームを使用。行先が福島県の郡山方面というのが凄いですね。実に非日常です。

 ちょうどキハE130系の列車が停車中でした。鹿島臨海鉄道同様にこちらも気動車のためディーゼルエンジンの音がいい感じで響き渡っています。1番ホームはJR水郡線、8番ホームは鹿島臨海鉄道とは、水戸駅はディーゼルエンジンに挟まれた駅だったんですね。

 停車中のキハE130系ですがドアは開いておりません。さすが東北までを繋ぐ列車です。ドアは開きっぱなしではなくボタンを押さないと開かない、寒冷地仕様ですのでご注意ください。

 いよいよキハE130系は郡山方面へ出発です。その姿を撮影しましたので、よかったらご覧ください。

 ちなみにJR水郡線は起点駅なので1番ホームには行き止り標識があります。

 そして駅名標も片方の次駅しか書かれていない終着駅仕様でした。

JR水戸駅 3・4番ホーム

 3、4番ホームはJR常磐線(上野東京ライン)下り線ホーム日立・いわき方面となっております。

 ホームに降りると、いわき行E531系常磐線が停車中でした。都心から水戸駅までも結構な距離がありますが、都心から福島県のいわき駅だと水戸駅はほぼ中間くらいに位置しているので、これまた遠くまでの運行ですね。

 と感心していると、3番ホームの行先表示にはさらに遠い仙台方面の文字が。確かに特急ひたちに乗車すれば仙台まで行きますね。都心から宮城県まで行く特急列車、ある意味貴重です。

JR水戸駅 5・6番ホーム

 5、6番ホームはJR常磐線(上野東京ライン)上り線ホーム東京方面と、JR水戸線の小山方面となっております。上り東京方面の特急列車は7番ホームですのでご注意ください。ちなみにJR水戸線は水戸線というくらいだから、小山駅が起点で水戸駅が終点駅と思いがちですが、実は終点駅はJR友部駅だったりします。常磐線と水戸線の分岐駅と考えると納得です。

JR水戸駅 7番ホーム

 7番ホームはJR常磐線(上野東京ライン)特急列車の上り線ホーム東京方面となっております。

 さすが特急専用のホームだけあって待合室がありました。

 足元には特急列車の乗車口が記されておりますがE653系と書かれています。今はE657系が運行されていますので、恐らく昔の表示がそのまま残っているのだと思います。

 JR水戸駅に品川行 特急ときわが到着。やはり現在はE657系ですね。でもE657系はE653系の流れを受け継いでいるそうなので、そんなに大きな間違いではないのかも知れません。

 近年では、停電などによる東北新幹線の運転見合わせや異例の事態に陥った場合、臨時快速列車が運行されるなど、水戸駅経由仙台行の列車として注目が集まっております。

 品川行E657系 特急ときわの出発シーンを作成しましたので、よろしければご覧ください。

 私鉄の鹿島臨海鉄道を含め、JR東日本の各路線が集中する、北関東を代表する巨大ターミナル駅。そんな駅の一角を担う鹿島臨海鉄道はなかなかの存在感でした。巨大ターミナル駅に停車するローカル路線とのギャップを感じた非日常感は、同じ北関東の上信電鉄が停車する高崎駅やJR日光線が停車する宇都宮駅を思い出してしまいました。ぜひこれからも頑張って運行を続けて欲しですね。



駅前周辺

水戸駅南口

 さすが水戸駅。と思わせるくらい駅前はとても賑やかでした。駅ビル、家電量販店、商業ビルに映画館、そしてホテルと、もはや都心と何ら変わらない駅前。いやはや恐れ入りました。

水戸駅北口

 北口も大勢の人で賑わっておりました。やはりここまで大都市なのは徳川御三家の水戸徳川家の影響が大きかったんでしょうね。昔の交通の要衝を鉄道が少なからず引き継いだことは大きかったのではないかなと思います。

 駅を出てすぐ、何か催し物を行うステージの場所では盛り上がりをみせておりました。

駅前食べ歩き

 せっかく水戸まで来ましたので、水戸市内に本店を構える、創業1852年(嘉永5年)、江戸時代から徳川水戸藩御用達の老舗菓子店「亀じるし」のお菓子をいただきましょう。(直営のテナント店が駅ビルのエクセルみなみにございます。)

亀じるし(https://www.kamejirushi.co.jp/

 秋の期間限定のお菓子になりますが、笠間栗のふわふわクリーミー生大福をいただきます。

 手にした瞬間とても柔らかく、強く持つと潰れてしまいそうです。一口食べると確かにふわふわした食感から、笠間栗のクリームの甘さが口の中いっぱいに広がっていきます。控えめな甘さがとても上品で美味しいです。さすが水戸藩御用達。でも見た目以上にボリュームがあるため、一つ食べたらお腹いっぱいでした。

 もう一つ、ふわふわクリーミー生どら焼き(笠間栗)を買ってみましたが、こちらも甘さ控えめで笠間栗のモンブランを食べているような感覚で大変美味しかったです。

 以上、鹿島臨海鉄道大洗鹿島線、JR東日本 大洗鹿島線、JR常磐線、JR水戸線、JR水郡線、水戸駅レポートでした。今後は水戸駅を通った時や水戸行の列車、発車案内板で見かけたら、当ブログでみた水戸駅を思い浮かべてくれたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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水戸駅 アクセス

 



コメント

  1. 東海村のハーベスト より:

    毎回、魅力度ランキング最下位の茨城県の最大ターミナル駅を取り上げて頂き、ありがとうございます(笑)

    いばらき観光マイスターの私からもお礼を致します。

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